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親が亡くなったらすることリスト|手続きの順番と期限を時系列で整理

更新日: 2026/2/27読了: 34分
目次

この記事のまとめ

  • 死亡届・年金・保険の届出を期限順に整理
  • 死亡診断書のコピーを5〜10部取っておく
  • 相続放棄の判断は3か月以内に行う

はじめに

親が亡くなった直後は、悲しみの中でも多くの対応を迫られます。「何から手をつければいいのか」と途方に暮れている方も多いでしょう。

この記事では、親が亡くなってから1週間以内にやるべきことを時系列で整理します。完璧にやろうとしなくて大丈夫です。期限のある手続きだけ見落とさなければ、後からでも対処できることはたくさんあります。

まずは深呼吸して、一つずつ確認していきましょう。


親が亡くなったら何が必要か — 全体像

死後の手続きは多岐にわたりますが、「いつまでにやるべきか」によって優先順位が変わります。

時期主な手続き
当日〜数時間以内死亡確認・近親者への連絡・葬儀社への連絡
翌日〜3日以内死亡診断書のコピー取得・葬儀の手配
7日以内死亡届の提出(法的義務)
10〜14日以内年金受給停止・健康保険喪失届
1か月以内生命保険の請求・公共料金の名義変更・解約
3か月以内相続放棄の判断・遺産分割協議の開始
4か月以内準確定申告(該当する場合)
10か月以内相続税の申告・納付(該当する場合)

まずは「当日〜1週間」の対応に集中しましょう。それ以降の手続きについては後半で触れます。

ポイント

最初の1週間は「死亡診断書のコピー取得」「死亡届の提出」「葬儀の手配」に集中してください。その他の手続きは後からでも間に合います。


【当日】死亡確認と最初の連絡

死亡診断書を受け取る

病院で親が亡くなった場合、担当医師が死亡を確認して死亡診断書を作成します。この書類はすべての手続きの起点になるため、必ず受け取ってください。

自宅で亡くなった場合は、かかりつけ医に連絡します。かかりつけ医がいない、または突然亡くなった場合は 119番(救急) に連絡してください。警察による検視が入る場合があり、その際は「死体検案書」が発行されます。死亡診断書と同じ効力を持ちます。

重要: 死亡診断書のコピーは提出前に 5〜10部 取っておいてください。後の保険請求・年金手続き・銀行手続きなどで何度も使います。役所への提出後は原本が返却されません。

近しい親族への連絡

死亡確認後は、すみやかに近しい家族や親族に連絡します。

連絡する順番の目安:

  1. 配偶者や同居家族——まだ知らない人がいれば最優先
  2. 故人(親)の兄弟姉妹——深夜早朝でも連絡するのが一般的
  3. 親しい知人・友人——葬儀の日程が決まってから連絡しても問題ない

この時点では疲弊しています。連絡の仕分けは誰かに手伝ってもらうと助かります。

葬儀社への連絡

病院で亡くなった場合、遺体は数時間以内に搬送しなければなりません。搬送先(自宅か葬儀社の安置施設か)を決めるためにも、早めに葬儀社に連絡してください。

病院から紹介された葬儀社をそのまま利用することもできますが、義務ではありません。以前から付き合いのある葬儀社があれば、そちらに連絡しましょう。

葬儀社は搬送・死亡届の代行提出・葬儀の段取りまで幅広くサポートしてくれます。「どこまで頼んでいいのか」と遠慮せず、困ったことは何でも相談してください。


【翌日〜3日】葬儀の手配と死亡診断書の整理

葬儀の日程・形式を決める

葬儀社と打ち合わせを行い、葬儀の日程・形式・規模を決めます。

一般的な葬儀の流れ:

日程内容
死亡当日〜翌日安置・遺族打ち合わせ
翌日〜2日後通夜
通夜の翌日告別式・火葬

火葬は市区町村の火葬場が混んでいると1〜2日待つこともあります。日程の調整は葬儀社に任せて大丈夫です。

葬儀の費用・補助金については「葬儀費用の相場と補助金・助成制度」を参考にしてください。

死亡診断書のコピーを取る

繰り返しになりますが、死亡届を役所に提出するに、必ずコピーを取ってください。目安は以下の通りです。

用途必要枚数の目安
死亡届の提出用原本1通(提出後は返却なし)
生命保険の請求1〜2通
銀行口座の手続き1〜2通
年金の届出1通
その他の手続き2〜3通
合計(目安)5〜10部のコピー推奨

コピーを多めに取っておくと、後の手続きでいちいち取り寄せる手間が省けます。


【7日以内】死亡届の提出(法的義務)

死亡届とは

死亡届は、死亡の事実を知った日から7日以内に提出する法的義務があります(戸籍法第86条)。正当な理由なく怠った場合は5万円以下の過料が科される可能性があります。

死亡届が受理されると火葬許可証が発行されます。火葬の際に必要な書類なので必ず保管してください。

多くの場合、葬儀社が死亡届の提出を代行してくれます。代行を依頼した場合でも、提出前に死亡診断書のコピーを自分で取っておくことを忘れずに。

詳しい記入方法や必要書類は「死亡届の出し方 — 書き方・提出先・注意点を解説」をご覧ください。

火葬許可証と埋葬許可証

死亡届の提出後に発行される火葬許可証は、火葬時に火葬場に提出します。火葬後、火葬場から埋葬許可証が返却されます。埋葬許可証は墓地への納骨時に必要になるため、必ず保管しておいてください。

火葬・埋葬に必要な許可証の詳細は「火葬・埋葬許可証の取り方と手続き」で解説しています。

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【10〜14日以内】年金と健康保険の停止手続き

葬儀が落ち着いたら、次は年金と健康保険の届出です。期限があるため、忘れずに対応してください。

年金受給停止の届出

親が年金を受給していた場合、速やかに受給停止の届出が必要です。届出が遅れると過払いが発生し、後で返還を求められることがあります。

年金の種類届出期限届出先
厚生年金死亡から 10日以内年金事務所
国民年金死亡から 14日以内市区町村役場または年金事務所

届出の際は同時に**未支給年金の請求**も行えます。亡くなった月分まで受け取れる権利がある場合があるため、窓口で必ず確認してください。

年金の停止手続きの詳細は「年金受給停止の届出方法」、遺族年金については「遺族年金の請求方法」を参照してください。

健康保険・介護保険の資格喪失届(14日以内)

保険の種類届出先期限
国民健康保険市区町村役場14日以内
後期高齢者医療市区町村役場14日以内
介護保険市区町村役場14日以内
社会保険(会社員だった場合)勤務先が手続き死亡翌日から5日以内

届出の際は保険証の返却も必要です。また、国民健康保険に加入していた場合は葬祭費(自治体によって3〜7万円程度)、社会保険の場合は埋葬料(5万円)の申請ができます。窓口で「葬祭費(埋葬料)の申請もしたい」と伝えてください。

健康保険の手続き詳細は「健康保険の資格喪失届の手続き」で解説しています。

世帯主変更届(14日以内)

親が世帯主だった場合で、残された世帯員が2人以上いるときは世帯主変更届が必要です(住民基本台帳法第25条、14日以内)。

詳細は「世帯主変更届の出し方」をご覧ください。


【1か月以内】生命保険・公共料金・各種サービスの手続き

生命保険の請求

親が生命保険に加入していた場合は、保険会社に連絡して保険金の請求手続きを進めます。

保険証券が見つからない場合は、生命保険協会の「生命保険契約照会制度」で故人の加入保険を調べることができます。詳しくは「生命保険の請求手続きガイド」をご参照ください。

公共料金・各種サービスの名義変更・解約

親の名義になっている契約は、名義変更または解約が必要です。

サービス対応備考
電気・ガス・水道名義変更または解約継続して使う場合は名義変更
携帯電話解約契約先に連絡。未払料金に注意
固定電話・インターネット名義変更または解約
NHK受信料名義変更または解約
クレジットカード解約年会費の日割り返金がある場合も
定額サービス(サブスク)解約引き落とし日前に対応を

携帯電話の解約手続きは「携帯電話の解約・名義変更手続き」、公共料金の名義変更は「公共料金の名義変更手続き」で詳しく解説しています。クレジットカードの解約については「クレジットカードの解約手続き」もあわせてご確認ください。

マイナンバーカード・運転免許証の返納

書類返納先備考
マイナンバーカード市区町村役場返納義務あり
運転免許証警察署(運転免許センター)法的義務はないが身分証の悪用防止のため返納推奨
パスポートパスポートセンター旅券法に基づく返納義務あり(手数料無料)

マイナンバーカードの返納手続きは「マイナンバーカードの返納手続き」、免許証の返納は「運転免許証の返納手続き」、パスポートの返納は「パスポートの返納届」で解説しています。


【1か月〜3か月】相続の判断と準備

葬儀・各種届出が落ち着いたら、相続の準備を始めます。

遺言書の有無を確認する

相続手続きの第一歩は、遺言書があるかどうかの確認です。遺言書の有無によって、その後の進め方がまったく変わります。

遺言書の探し方と検認手続きについては「遺言書の探し方と検認手続き」で解説しています。

法定相続人と相続財産の調査

誰が相続人なのかを確定するため、故人の出生から死亡までの戸籍謄本を収集します。転籍がある場合は複数の自治体への請求が必要で、2〜4週間かかることもあります。

同時に、相続財産(プラスとマイナスの両方)も調査します。

プラスの財産:

マイナスの財産:

信用情報機関(CIC・JICC・KSC)に照会すれば故人の借入状況を確認できます。

法定相続人の調べ方は「法定相続人の調べ方」、財産調査の方法は「相続財産の調査方法」を参照してください。

相続放棄の検討(3か月以内)

マイナスの財産がプラスの財産を上回る場合、相続放棄を検討します。

注意

相続放棄の期限は相続の開始を知った日から3か月以内です。この期限を過ぎると原則として放棄できなくなるため、故人に借金がある可能性がある場合は早急に財産調査を始めてください。

相続放棄の手続き方法・注意点については「相続放棄の期限と手続き方法」をご覧ください。

銀行口座の凍結と手続き

金融機関に死亡を連絡すると口座が凍結されます。遺産分割協議が完了するまで、原則として引き出しはできません。

急ぎの費用が必要な場合は「仮払い制度」で1金融機関あたり上限150万円まで引き出せます。

銀行口座の相続手続きについては「故人の銀行口座が凍結されたら」で詳しく解説しています。


【4か月以内・10か月以内】税務手続き

準確定申告(4か月以内)

親が確定申告の義務があった場合(事業所得・不動産所得があった場合など)、相続人が準確定申告を行います。

準確定申告の詳細は「準確定申告のやり方」をご覧ください。

相続税の申告(10か月以内)

遺産の総額が基礎控除額を超える場合に必要です。

基礎控除額 = 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数

例: 法定相続人が2人(子2人)→ 3,000万円 + 600万円 × 2 = 4,200万円

遺産総額がこの額以下であれば申告不要です。不動産・預貯金・有価証券など、すべての財産を合算して判断してください。

相続税の申告方法・特例については「相続税の申告ガイド」で詳しく解説しています。


やってはいけないこと

混乱の中で、つい行ってしまいがちな行動に注意してください。

やってしまいがちなことなぜ問題か
親の銀行口座からお金を引き出す相続トラブルの原因になる。他の相続人から不当利得として請求される可能性
親の持ち物をすぐ処分する相続財産に該当するものが含まれる可能性
借金の返済を代わりに払う相続放棄ができなくなる場合がある(単純承認とみなされるリスク)
相続について兄弟と口約束で決める後でトラブルになる。必ず書面(遺産分割協議書)にまとめる
デジタルデータをすぐ削除する故人のSNS・メール・クラウドに財産情報が含まれることがある

特に銀行口座からの引き出しは、他の相続人から問題にされることがあります。葬儀費用など急ぎの出費は領収書を保管しておき、後で相続財産から清算する形をとると安全です。

デジタル遺産の整理については「デジタル遺産・デジタル資産の整理方法」を参考にしてください。


忙しい時期を乗り越えるためのコツ

1. 「おくやみコーナー」を活用する

多くの市区町村役場に「おくやみコーナー」や「おくやみ窓口」があります。年金・健康保険・世帯主変更など複数の手続きをまとめて案内してくれるため、複数の窓口を回る手間が省けます。予約制の自治体もあるため、事前に確認しましょう。

2. 戸籍謄本は多めに取得する

相続手続きでは戸籍謄本が何度も必要になります。故人の戸籍謄本(出生〜死亡の連続したもの)は各手続き先で都度提出が必要なため、5〜10部程度まとめて取得しておくと効率的です。

住民票の除票の取得方法については「住民票の除票の取り方」で解説しています。

3. 家族で役割を分担する

一人で全部やろうとしないことが大切です。兄弟姉妹がいれば、役割を分担してください。

4. 書類は一か所にまとめる

手続きのたびに書類を探し回るのは消耗します。故人に関係する書類(戸籍謄本、印鑑証明書、保険証券、通帳など)は専用のファイルにまとめておくと、各手続きがスムーズになります。

5. 専門家に相談する

以下のようなケースは、早めに専門家の力を借りることをお勧めします。

ケース相談先
相続財産の規模が大きい・不動産がある税理士・司法書士
相続人間で意見が対立している弁護士
借金がある・相続放棄を検討している弁護士・司法書士
遺言書の内容に納得できない弁護士

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よくある質問

Q1. 親が亡くなった後、銀行口座はすぐ凍結されますか?

銀行口座は、金融機関が死亡を知った時点で凍結されます。ただし、自動的に凍結されるわけではなく、遺族が届け出るか、金融機関が死亡の事実を何らかの手段で知った場合に凍結されます。

凍結後は、相続手続き(遺産分割協議書の提出など)が完了するまで引き出しができません。急ぎで費用が必要な場合は「仮払い制度」を活用してください(1金融機関あたり上限150万円)。詳細は「故人の銀行口座が凍結されたら」を参照してください。

Q2. 死亡届は7日以内とのことですが、葬儀社に任せれば間に合いますか?

ほとんどの葬儀社は死亡届の提出を代行しています。火葬を行うためにも死亡届の受理が必要なため、葬儀社は速やかに提出してくれます。ただし、代行を依頼する場合でも、提出前に死亡診断書のコピーを取っておくことを忘れないでください。

Q3. 親が年金をもらっていました。死亡後も入金された分はどうなりますか?

年金は偶数月の15日に前2か月分が振り込まれます。死亡後に振り込まれた年金は、亡くなった月までの分は「未支給年金」として相続人が受け取る権利がありますが、亡くなった月の翌月以降の分は返還が必要です。年金事務所または市区町村役場で停止の届出を行った際に、窓口で確認してください。

詳しくは「年金受給停止の届出と未支給年金の請求」をご覧ください。

Q4. 親が持ち家を持っていました。相続登記はいつまでにやればよいですか?

2024年4月1日から相続登記が義務化されました。相続を知った日から3年以内に法務局で登記申請が必要です。正当な理由なく怠った場合、10万円以下の過料の対象になります。

ただし、すぐに遺産分割協議がまとまらない場合は「相続人申告登記」という簡易的な手続きで義務を果たすことができます。詳しくは「不動産の相続登記ガイド」で解説しています。

Q5. 親が亡くなって間もないのに、手続きが多すぎて気力がわきません。どうすれば?

それは当然の気持ちです。大切な人を亡くした直後に、冷静に手続きを進めるのは本当に大変です。

まず「7日以内の死亡届」だけに集中してください。葬儀社が代行してくれるため、自分で動く必要はほとんどありません。その後の手続きは、1〜2週間かけて少しずつ進めても間に合うものがほとんどです。

一人で抱え込まず、兄弟姉妹や信頼できる人に分担してもらうことが大切です。


まとめ

親が亡くなった直後から1週間で必ず対応すべきことは、大きく3つです。

  1. 死亡診断書のコピーを取る(提出前に5〜10部)
  2. 死亡届を7日以内に提出する(葬儀社に代行依頼可)
  3. 年金・健康保険の停止届を10〜14日以内に出す

この3つさえ押さえれば、後の手続きは順番に対応できます。完璧にやろうとせず、期限のあるものから一つずつ進めてください。


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