電気・ガス・水道の名義変更 — 死亡時の手続き
目次
この記事のまとめ
- —電気・ガス・水道は電話1本で手続きが完了する
- —口座凍結前に支払い方法の変更を済ませておく
- —NHK・固定電話・ネット回線の手続きも忘れずに
はじめに
家族が亡くなると、電気・ガス・水道といった公共料金の契約を整理する必要があります。法的な期限はありませんが、故人の銀行口座が凍結されると口座振替が止まり、料金の引き落としができなくなります。滞納が続けば督促状が届き、最終的には供給停止にもつながりかねません。
「いつまでにやらなければならない」という決まりはないとはいえ、早めの対応が安心です。ただ、手続き自体は電話1本で済むケースがほとんどですので、ひとつずつ落ち着いて進めてください。
この記事では、電気・ガス・水道の名義変更・解約に加えて、NHK受信料・固定電話・インターネット回線の手続きについてもまとめて解説します。
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まず確認すること — 名義変更か解約か
手続きの方向は、住居の今後によって決まります。
| 住居の状況 | 手続き |
|---|---|
| 家族が引き続き住む | 名義変更(新しい世帯主や同居家族の名前に切り替え) |
| 空き家になる | 解約(供給停止) |
| しばらく遺品整理で出入りする | すぐに解約せず、整理が終わってから解約 |
同居していた家族がそのまま住む場合は「名義変更」、誰も住まなくなる場合は「解約」を選びます。賃貸住宅にお住まいの場合は、公共料金とあわせて「賃貸住宅の名義変更・解約」の手続きも必要です。遺品整理のために一定期間出入りする予定がある場合は、電気と水道は残しておいたほうが作業がしやすいでしょう。整理が完了した段階で解約すれば問題ありません。
なお、世帯主が亡くなった場合は、公共料金の手続きとは別に世帯主変更届が必要になることがあります。14日以内の届出期限がありますので、該当する方は早めに対応してください。
電気の名義変更 — 死亡時の手続き
連絡先の調べ方
電気使用量のお知らせ(検針票)や請求書に、契約している電力会社名とお客様番号、連絡先の電話番号が記載されています。最近はWebで検針票を確認する「ペーパーレス」に切り替えている方も多いので、故人のメールアドレスに届いた電力会社からのメールを手がかりにするのもよいでしょう。
書類が見つからない場合は、お住まいのエリアの大手電力会社(東京電力エナジーパートナー、関西電力、中部電力ミライズなど)のカスタマーセンターに住所と契約者名を伝えれば、契約を確認してもらえます。
手続きの流れ
- 電力会社のカスタマーセンターに電話する(会社によってはWebサイトからも手続き可能)
- 契約者が亡くなった旨を伝える
- 名義変更の場合は、新しい契約者の氏名・連絡先・支払い方法を伝える
- 解約の場合は、最終の検針日・供給停止の希望日を調整する
ポイント
電気・ガス・水道の名義変更は、電話1本で手続きが完了するケースがほとんどです。書類の提出は基本的に不要なので、検針票を手元に準備して電話しましょう。
- 電話1本で手続きが完了するケースがほとんどです。書類の提出を求められることは基本的にありません
- 新電力(楽天でんき、auでんき、ENEOSでんきなど)を利用している場合は、その会社に直接連絡します
- 名義変更の場合、支払い方法もあわせてクレジットカードや新しい口座振替に切り替えておきましょう
- 解約した場合、最後の月の料金は日割り計算されることが一般的です
ガスの名義変更 — 死亡時の手続き
連絡先の調べ方
ガスの領収済通知書(検針票)や料金計算書に、ガス会社名・お客様番号・連絡先が書かれています。まず、都市ガスとプロパンガス(LPガス)のどちらを使っているか確認してください。集合住宅の場合はプロパンガスでも検針票に会社名が記載されています。
手続きの流れ
- ガス会社のお客様センターに電話する
- 契約者の死亡を伝え、名義変更または解約を申し出る
- 名義変更の場合は新しい契約者の情報と支払い方法を伝える
- 解約の場合は、閉栓(ガスの供給停止)の日程を調整する
ポイント
- ガスの解約では閉栓作業が必要です。ガスメーターの操作のため、立ち会いが求められることがあります(オートロックの集合住宅など、メーターに直接アクセスできない場合は特に必要です)
- プロパンガスは地域の販売店が窓口です。検針票に記載の連絡先に電話してください。プロパンガスの場合、ボンベの撤去作業も行われます
- 都市ガスの場合はWebサイトから手続きできる会社も増えています(東京ガス、大阪ガスなど)
- 名義変更・解約ともに、書類の提出は原則不要です
水道の名義変更 — 死亡時の手続き
連絡先の調べ方
水道は電気・ガスと異なり、市区町村の水道局(または水道部)が管轄する公営事業です。水道料金の検針票や請求書、または自治体のWebサイトに連絡先が記載されています。
手続きの流れ
- 管轄の水道局(水道お客様センターなど)に電話する
- 契約者が亡くなった旨を伝える
- 名義変更の場合は新しい使用者の氏名・連絡先を伝える
- 解約の場合は閉栓の希望日を調整する
ポイント
- 水道は自治体の管轄のため、手続き方法が地域によって若干異なることがあります
- 多くの自治体では電話のほか、Webサイトや窓口での手続きにも対応しています
- 解約(閉栓)後でも、再開栓の手続きは比較的かんたんです。遺品整理の際に水道が必要になった場合も再開できます
- 水道料金は2か月に1度の請求が多いため、直近の請求書が見つかりにくいこともあります。その場合は自治体の水道局に住所を伝えて問い合わせてください
- 下水道料金は水道料金と一緒に請求されることがほとんどのため、水道の手続きをすれば下水道も同時に処理されます
手続きに必要な情報
電気・ガス・水道いずれも、手続きの際に以下の情報を手元に用意しておくとスムーズです。
| 必要な情報 | 確認方法 |
|---|---|
| お客様番号(契約番号) | 検針票・請求書・領収書に記載 |
| 契約者名(故人の氏名) | 同上 |
| 使用場所の住所 | 同上 |
| 届出する方の氏名・続柄 | — |
| 新しい契約者の氏名・連絡先 | 名義変更の場合 |
| 新しい支払い方法 | 口座振替・クレジットカード・振込用紙等 |
| 供給停止の希望日 | 解約の場合 |
お客様番号がわからない場合でも、住所と契約者名を伝えれば対応してもらえます。検針票や請求書が見つからなくても、慌てる必要はありません。
なお、故人の銀行口座が凍結されると口座振替による引き落としができなくなります。凍結前に名義変更や支払い方法の切り替えを済ませておくのが望ましいです。口座凍結の仕組みと対応については「故人の銀行口座が凍結されたら」で詳しく解説しています。
NHK受信料の名義変更・解約
公共料金とあわせて、NHKの受信契約も忘れずに手続きしましょう。手続きをしないまま放置すると、受信料の請求が続きます。
名義変更の場合
同居の家族が引き続きテレビを視聴する場合は、NHKのWebサイトまたは電話で名義変更の手続きができます。同じ住所に住む家族間の名義変更であれば、特に書類の提出は不要です。あわせて支払い方法(口座振替やクレジットカード)の変更も行いましょう。
解約の場合
故人が一人暮らしで、その住居に誰も住まなくなる場合は解約の手続きをします。インターネットからの解約申し込みも一部対応していますが、契約者の死亡による解約は電話での手続きが確実です。
- 連絡先: NHKふれあいセンター 0120-151515(フリーダイヤル)
- 受付時間: 午前9時〜午後6時(土日・祝日も受付)
- IP電話等でフリーダイヤルが使えない場合は 050-3786-5003(有料)
電話で「契約者が亡くなったので解約したい」と伝えると、NHKから解約届の書類が郵送されてきます。届いた書類に記入し、死亡を証明する書類(死亡診断書のコピー、戸籍謄本、除籍謄本、死亡の記載がある住民票の写しなど、いずれか1点)を添えて返送すれば手続きは完了です。
死亡月以降に先払いしていた受信料がある場合は、返金を受けることができます。返金先の口座情報を求められるので、準備しておきましょう。
NHK受信契約と自動車保険の手続きをまとめて確認したい方は「NHK・自動車保険の名義変更」で解説しています。
固定電話の名義変更・解約
固定電話(NTT加入電話)の契約者が亡くなった場合も、名義変更(承継)または解約の手続きが必要です。
連絡先
- NTT東日本・西日本共通: 局番なしの 116(NTTの固定電話から)
- NTT東日本エリア(携帯電話から): 0120-116-000
- NTT西日本エリア(携帯電話から): 0800-2000-116
- 受付時間: 午前9時〜午後5時(土日・祝日も受付、年末年始を除く)
名義変更(承継)の場合
相続人への名義変更は「承継」という手続きになります。116に電話して「契約者が亡くなったので承継したい」と伝えると、必要な手続きを案内してもらえます。以下の書類が必要です。
- 電話加入権等承継届出書(NTT東日本・西日本のWebサイトからダウンロード可能)
- 死亡の事実と相続関係がわかる書類(戸籍謄本、除籍謄本、死亡診断書のコピーなど)
承継の手続きに手数料はかかりません。書類はNTTの窓口に持参するか、郵送で提出します。
解約の場合
固定電話が不要であれば解約を選びます。116に電話し、契約者が亡くなった旨を伝えてください。
なお、電話加入権は相続財産に含まれますが、現在の市場価格はごくわずか(数百円〜数千円程度)です。相続税の申告が必要な場合は計上しますが、実務上はほとんど問題になりません。
NTT以外の固定電話サービス(ひかり電話、J:COM PHONEなど)を利用している場合は、各事業者に直接お問い合わせください。
インターネット回線の解約・名義変更
インターネット回線の契約も確認が必要です。回線事業者(NTTフレッツ光など)とプロバイダ(OCN、So-net、@niftyなど)が別々の契約になっている場合は、それぞれに連絡する必要があります。光コラボレーション(ドコモ光、ソフトバンク光など)のように一体型の契約であれば、1か所への連絡で済みます。
手続きの流れ
- 契約先を確認する——請求書、口座やクレジットカードの引き落とし明細、故人宛のメールなどが手がかりになります
- 各事業者のカスタマーセンターに電話し、契約者の死亡を伝える
- 名義変更(承継)または解約を申し出る
- 死亡診断書のコピーや除籍謄本など、死亡を証明する書類の提出を求められることがある
ポイント
- 契約先がわからない場合は、口座やクレジットカードの利用明細で月々の引き落とし先を確認するのが確実です
- 解約時に違約金(契約期間中の解約)が発生する場合がありますが、契約者の死亡による解約では免除されるケースもあります。各事業者に確認してください
- ルーターやONU(光回線終端装置)などのレンタル機器がある場合は、返却が必要です。返却方法は事業者から案内されます
- Wi-Fiルーターを自分で購入していた場合は返却不要ですが、プロバイダ提供のメールアドレスは解約とともに使えなくなります。重要な連絡先に使っていないか確認しておきましょう
注意点
口座凍結前に手続きを
故人の銀行口座が凍結されると、口座振替による公共料金の引き落としができなくなります。金融機関に死亡を届け出る前に、公共料金の名義変更・支払い方法の変更を済ませておくのが理想です。
故人の銀行口座が凍結されると口座振替が止まり、公共料金が未払いになります。金融機関に死亡を届け出る前に、支払い方法の変更を済ませておきましょう。
ただし、金融機関への届出を過度に遅らせるのは得策ではありません。口座凍結前に相続人以外の人が預金を引き出すとトラブルにつながる可能性もあるためです。公共料金の手続きと金融機関への届出は、なるべく同じ時期に進めるようにしましょう。詳しくは「故人の銀行口座が凍結されたら」をご覧ください。
検針票をまとめて準備する
電気・ガス・水道・NHK・電話・インターネット——すべてを一度にやろうとすると負担になります。まずは検針票や請求書を一か所に集め、それぞれの連絡先とお客様番号を一覧にまとめましょう。その上で、半日程度の時間を確保してまとめて電話をかけると効率的です。
手続きの記録を残す
いつ・どこに電話し・何を依頼し・いつから名義変更(または解約)が有効になるかをメモしておきましょう。後から確認が必要になったときや、他の相続人に状況を共有するときに役立ちます。
故人宛の郵便物にも注意
名義変更後も、しばらくは故人宛のDMや通知、契約更新の案内などが届くことがあります。重要な書類が含まれている可能性もあるため、届いた郵便物は中身を確認してから処分してください。思いがけず把握していなかった契約が見つかることもあります。
未払い料金の扱い
故人に未払いの公共料金がある場合、その支払い義務は相続人に引き継がれます。金額としては少額であることがほとんどですが、相続放棄を検討している場合は注意が必要です。公共料金を支払ったことで「相続を承認した」とみなされる可能性もゼロではないため、相続放棄を考えている方は弁護士や司法書士に相談してから対応してください。
- 電気の名義変更または解約(電力会社に電話)
- ガスの名義変更または解約(ガス会社に電話・閉栓は立ち会いが必要な場合あり)
- 水道の名義変更または解約(水道局に電話)
- NHK受信料の名義変更または解約
- 固定電話の承継または解約(116に電話)
- インターネット回線の名義変更または解約
死後の手続き全体の流れは「家族が亡くなったらやること一覧」に期限順でまとめています。公共料金は法的な期限こそありませんが、早めに片づけておくことで気持ちの負担も軽くなります。直後に優先すべきことは「家族が亡くなった直後にやるべき5つのこと」をご確認ください。
よくある質問
Q. 公共料金の名義変更に期限はありますか?
法律上の期限はありません。ただし、故人の銀行口座が凍結されると口座振替が止まり、料金が未払いになる可能性があります。未払いが一定期間続くと督促状が届き、最終的には供給停止となることもあります。口座凍結前に支払い方法を変更するか、早めに名義変更の手続きを行うことをおすすめします。目安として、金融機関に死亡を届け出る前後のタイミングで対応するとよいでしょう。
Q. 名義変更に死亡診断書や戸籍謄本は必要ですか?
電気・ガス・水道の名義変更では、死亡診断書や戸籍謄本の提出を求められないことがほとんどです。電話でお客様番号と新しい契約者の情報を伝えるだけで手続きが完了します。一方、NHKの解約では死亡を証明する書類(死亡診断書のコピー、戸籍謄本、除籍謄本など)が必要です。また、固定電話の承継(名義変更)でも戸籍謄本等の書類提出が求められます。手続き先によって異なるため、電話で確認するのが確実です。
Q. 故人が一人暮らしだった場合、公共料金はどうなりますか?
住居に誰も住まなくなる場合は、電気・ガス・水道のすべてを解約(供給停止)します。各事業者に電話して閉栓・供給停止の手続きを行ってください。ガスの閉栓は立ち会いが必要になる場合があります。ただし、遺品整理のためにしばらく出入りする予定があれば、電気と水道は整理が終わるまで残しておくのが便利です。未払い分の料金がある場合は相続人に支払い義務がありますので、相続放棄を検討している場合は専門家に相談してから対応してください。
Q. 公共料金の名義変更をしないとどうなりますか?
名義変更をしなくても、すぐに電気・ガス・水道が止まることはありません。ただし、故人の銀行口座が凍結されると口座振替が止まり、料金が未払いになります。未払いが一定期間(通常2〜3か月)続くと督促状が届き、さらに放置すると供給停止になる可能性があります。また、故人名義のままだと、今後の契約変更やトラブル発生時の対応が複雑になることもあります。手続き自体は電話1本で済みますので、早めに対応しておくのが安心です。
まとめ
- 同居家族が住み続けるなら「名義変更」、空き家になるなら「解約」
- 電気・ガス・水道は電話1本で手続きが完了する(書類提出は原則不要)
- お客様番号は検針票・請求書で確認。なくても住所と氏名で対応してもらえる
- 口座振替の場合、口座凍結前に支払い方法を変更しておくことが大切
- NHK・固定電話・インターネット回線も忘れずに対応する
- 手続きした日時・内容の記録を残しておく
公共料金の手続きは、手順さえわかれば難しいものではありません。検針票を手元に準備して、一つずつ片づけていきましょう。手続き全体を把握したい方は「家族が亡くなったらやること一覧」もあわせてご確認ください。
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