行政手続き

住民票の除票の取り方|窓口・郵送の必要書類・手数料300円

更新日: 2026/2/27読了: 31分

この記事のまとめ

  • 除票は窓口または郵送で取得(コンビニ不可)
  • 手数料は1通300円程度で相続人なら請求可能
  • 保存期間は法改正で5年から150年に延長済み

住民票の除票とは

住民票の除票とは、死亡や転出によって住民登録が抹消(消除)された住民票のことです。相続手続きの場面では「被相続人の住民票の除票」として求められることが多い書類です。「除票」という名前から特殊な書類のように感じるかもしれませんが、元をたどればごく普通の住民票です。住民が亡くなったり、他の自治体へ転出したりすると、その住民票は役所の現行の台帳から外され、「除票」として別に保管される仕組みになっています。

通常の住民票には、その市区町村に住んでいる方の氏名・住所・生年月日・世帯主との続柄・マイナンバーなどが記録されています。除票にもこれらの情報がそのまま残っており、さらに以下の情報が追記されます。

ご家族が亡くなった後の相続手続きでは、故人の住民票の除票が必要になる場面が数多くあります。「故人がその住所地に確かに住んでいたこと」と「死亡により住民登録が消除されたこと」を公的に証明できる、唯一の書類だからです。

なお、死亡届を市区町村役場に提出すると、住民票は自動的に除票になります。除票にするための別の届出は必要ありません。死亡届の出し方については別記事で詳しく解説しています。

どんな手続きで使うか(使い道一覧)

住民票の除票は、以下のような手続きで提出を求められます。想像以上に多くの場面で必要になるため、早めの取得をおすすめします。

手続き提出先除票が求められる理由
相続登記(不動産の名義変更)法務局登記名義人と故人が同一人物であることの証明
銀行口座の解約・払い戻し金融機関口座名義人の死亡確認
生命保険金の請求保険会社被保険者の死亡確認と住所確認
年金の受給停止届・未支給年金の請求年金事務所受給者の死亡確認
自動車の名義変更・廃車運輸支局所有者の死亡確認と住所の証明
株式・投資信託の名義変更証券会社口座名義人の死亡確認
固定電話・携帯電話の解約通信会社契約者の死亡確認(会社による)

特に重要なのが相続登記銀行口座の解約です。

相続登記では、不動産の登記簿に記載された所有者の住所と、故人の最後の住所が一致していることを証明するために除票が必要になります。住所が一致しない場合は、住所の変遷をたどるために戸籍の附票が追加で必要になることもあります。相続登記について詳しくは「不動産の相続登記ガイド」をご覧ください。

銀行では、口座名義人の死亡を確認した時点で口座が凍結されます。凍結を解除して預金の払い戻しを受けるには、除票を含む一連の相続関係書類を提出する必要があります。詳しくは「故人の銀行口座が凍結されたら」で解説しています。

取得できる人

住民票の除票は、個人情報を含む公的書類であるため、誰でも自由に取得できるわけではありません。住民基本台帳法(第15条の4)に基づき、正当な理由がある方に限って交付が認められます。

本人(転出の場合)

転出により除票になった場合は、本人が自分の除票を請求できます。ただし、ご家族が亡くなったケースでは本人による請求はできません。以下の方法で取得することになります。

相続人

実務上、最も多いのがこのパターンです。故人の法定相続人であれば、相続手続き(銀行口座の解約、不動産の名義変更、保険金の請求など)を理由として除票を請求できます。

窓口では「故人との関係が分かる戸籍謄本」を提示して、相続人であることを証明します。例えば、故人の配偶者であれば婚姻関係が記載された戸籍謄本、子であれば親子関係が記載された戸籍謄本を持参します。

相続人であることが確認できれば、委任状は原則として不要です。

利害関係人(第三者請求)

相続人以外の方であっても、以下のような正当な理由がある場合には請求が認められます。

第三者請求では、請求理由を具体的に記載し、その理由を裏付ける疎明資料(契約書のコピーなど)の提出が求められます。窓口の判断で交付が認められないこともあるため、事前に電話で相談しておくとスムーズです。

取得方法①: 窓口申請

最も確実で、最も早く除票を受け取れる方法です。混雑状況にもよりますが、申請から交付まで通常 15分〜30分程度 で完了します。

申請先

故人の最後の住所地(住民登録地)の市区町村役場です。「住民課」「市民課」「戸籍住民課」など、窓口の名称は自治体によって異なります。

重要な注意点があります。故人が生前に別の自治体に住んでいた時期の除票が必要な場合は、その時点で住んでいた自治体に別途請求する必要があります。相続登記で登記簿上の住所と最後の住所が異なる場合、住所の変遷を証明するために複数の自治体から除票を取り寄せなければならないこともあります。

窓口での手続きの流れ

  1. 申請書を記入する — 窓口に備え付けの「住民票の写し等交付申請書」に必要事項を記入します。「除票」が必要な旨を明記し、故人の氏名・最後の住所・生年月日を記載してください。本籍地の記載が必要かどうかも、この段階で選択します。
  2. 本人確認書類を提示する — 請求者自身のマイナンバーカード、運転免許証、パスポートなどの顔写真付き身分証明書を提示します。顔写真付きの証明書がない場合は、健康保険証と年金手帳など2点の提示を求められることがあります。
  3. 故人との関係を証明する — 相続人として請求する場合、故人と請求者の関係が分かる戸籍謄本を提出します。ただし、請求先の自治体に故人の本籍があり、自治体内の戸籍で関係を確認できる場合は提出不要となることがあります。
  4. 手数料を支払う — 窓口で1通あたり 300円程度 を現金で支払います(金額は自治体により異なります)。
  5. 除票を受け取る — その場で交付されます。受け取ったら、記載内容(氏名、住所、本籍地の有無など)に誤りがないか、その場で確認してください。

窓口申請に必要なもの(まとめ)

取得方法②: 郵送申請

故人の最後の住所地が遠方にある場合や、仕事などで窓口に行く時間が取れない場合は、郵送で申請できます。窓口に出向く手間が省ける一方、届くまでに日数がかかるため、余裕を持って請求することが大切です。

郵送で送るもの

以下の書類をまとめて封筒に入れ、故人が最後に住んでいた市区町村役場の住民課(市民課)宛に郵送します。

1. 交付申請書

各自治体のホームページから専用の申請書をダウンロードして印刷します。自治体ごとに様式が異なるため、必ず請求先の自治体のものを使ってください。記入する項目は以下の通りです。

2. 定額小為替

手数料の支払いには定額小為替を使います。郵便局(ゆうちょ銀行)の窓口で購入してください。コンビニやATMでは購入できません。

多くの自治体では除票1通あたり300円ですが、事前に自治体のホームページで正確な金額を確認してください。定額小為替の購入時には、1枚あたり200円の手数料がかかります。なお、定額小為替には何も記入せず、そのまま同封するのが一般的です。

3. 返信用封筒

長形3号封筒に、請求者の郵便番号・住所・氏名を記入し、切手を貼って同封します。除票1〜2通なら84円切手で足りますが、通数が多い場合は重量に応じた切手を貼ってください。不足があると届かない可能性があるため、やや多めに貼っておくと安心です。

4. 請求者の本人確認書類のコピー

運転免許証やマイナンバーカード(表面のみ)のコピーを同封します。マイナンバーカードの裏面(個人番号が記載された面)はコピー不要です。

5. 故人との関係を証明する書類のコピー

相続人として請求する場合は、故人と請求者の関係がわかる戸籍謄本のコピーを同封します。

郵送にかかる日数

投函してから届くまで、おおむね 1週間〜10日程度 が目安です。繁忙期や連休を挟む場合はさらに時間がかかることもあります。相続登記の期限や銀行手続きのスケジュールを考慮して、早めに請求しておきましょう。

不備があると返送されてやり直しになるため、発送前に同封物のチェックリストを作っておくことをおすすめします。

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コンビニ交付について — 除票は取得できません

マイナンバーカードを使ったコンビニ交付サービスは、住民票の写しを手軽に取得できる便利な仕組みです。しかし、住民票の除票はコンビニ交付では取得できません。これはほぼすべての自治体で共通のルールです。

コンビニ交付で取得できるのは、現在その自治体に住民登録がある方の「最新の住民票の写し」に限られます。死亡や転出で消除された除票は対象外です。

また、故人のマイナンバーカードは死亡届の提出・受理により失効します。故人のカードをコンビニの端末にかざしても、証明書を取得することはできません。

注意

住民票の除票はコンビニ交付では取得できません。故人のマイナンバーカードも死亡届の受理により失効するため、窓口申請か郵送申請で取得してください。

住民票の除票を取得するには、前述の窓口申請または郵送申請のいずれかの方法をお使いください。

手数料

住民票の除票の交付手数料は、1通300円 としている自治体が大多数です。ただし、自治体によって200円〜400円程度の幅があります。

取得方法手数料の目安支払い方法その他の費用
窓口300円程度現金なし
郵送300円程度定額小為替定額小為替手数料(200円/枚)、往復の郵送料

郵送の場合、定額小為替の購入手数料と郵送料を合わせると、窓口申請より 500〜600円程度 余分にかかる計算になります。とはいえ、遠方の自治体まで出向く交通費を考えれば、郵送のほうが経済的なケースがほとんどでしょう。

費用を抑えるポイント

必要書類一覧

窓口申請・郵送申請それぞれで必要な書類を、一覧表にまとめました。

書類窓口郵送備考
交付申請書必要必要窓口は備え付け。郵送は自治体HPからダウンロード
請求者の本人確認書類原本を提示コピーを同封運転免許証、マイナンバーカード(表面)等
故人との関係がわかる戸籍謄本原本を提示コピーを同封相続人として請求する場合に必要
手数料現金定額小為替1通300円程度(自治体により異なる)
返信用封筒(切手貼付済)不要必要請求者の住所・氏名を記入
疎明資料場合による場合による第三者請求(利害関係人)の場合に必要
委任状場合による場合による相続人以外の代理人が請求する場合

ワンポイント: 申請書の「本籍地の表示」欄で「記載あり」を選んでおくことを強くおすすめします。特に相続登記では、本籍地の記載がある除票を求められます。「記載なし」で取得してしまうと、取り直しになり、手数料も二重にかかってしまいます。

保存期間 — かつての5年から150年へ

住民票の除票には保存期間があります。かつてはこの保存期間の短さが大きな問題でした。

以前の制度(5年間)

2019年の法改正前は、除票の保存期間はわずか 5年間 でした。5年を過ぎると除票は廃棄され、二度と取得できなくなりました。

ところが、相続登記や保険金の請求は、故人の死亡から5年以上経ってから行われることも珍しくありません。いざ手続きをしようとした時に「除票はすでに廃棄済みです」と言われ、困り果てる——そんなケースが全国で相次いでいたのです。

法改正で150年に延長

この問題を受け、2019年(令和元年)6月20日に住民基本台帳法が改正・施行され、除票の保存期間が 150年 に大幅延長されました。

ポイント

2019年の法改正で除票の保存期間が5年から150年に延長されました。古い除票でも取得できる可能性があるため、まずは役場に問い合わせてみてください。

改正の背景には、長年にわたって相続登記がなされていない不動産、いわゆる「所有者不明土地」の問題があります。所有者不明土地は全国で増え続けており、公共事業や都市開発の妨げになっていました。相続登記を促進するためにも、除票を長期間保存することが不可欠と判断されたのです。

注意: すでに廃棄されている場合

保存期間が150年に延長されたのは、2014年(平成26年)6月20日以降に消除された除票です。それ以前に消除されたものは、旧制度の5年ルールが適用され、すでに廃棄されている可能性が高い。

もし必要な除票がすでに廃棄されていた場合は、以下の方法で対処します。

  1. 市区町村役場に**「廃棄証明書(不在住証明書)」**を発行してもらう
  2. 戸籍の附票(本籍地の市区町村で取得)で住所の変遷を証明する
  3. これらの書類を組み合わせて、法務局や金融機関に提出する

廃棄証明書は「この住所に住民登録されていた記録がすでに存在しない」ことを証明する書類です。除票の代わりにはなりませんが、除票が取得できないやむを得ない事情を示すための補助資料として使われます。

よくある質問

住民票の除票と戸籍の附票の違いは何ですか?

住民票の除票は、「故人が最後に住んでいた住所」を証明する書類です。記載される住所は基本的にその自治体での最後の住所の1件だけです。

一方、戸籍の附票は「その戸籍が編製されてから現在(または除籍)までの住所の履歴」をすべて記録した書類で、本籍地の市区町村で取得します。

相続登記で「登記簿上の住所」と「最後の住所」が異なる場合、住所のつながりを証明するために戸籍の附票が必要になることがあります。一方、住所が一致している場合は除票だけで十分です。手続きの内容に応じて使い分けてください。

故人と同じ世帯だった家族でも、委任状は必要ですか?

住民票の除票は個人単位で管理される書類であり、通常の住民票のように「同一世帯であれば本人の委任状なしで請求可能」というルールは適用されません。故人はすでに亡くなっているため、そもそも委任状を作成できないからです。

その代わり、相続人であることを戸籍謄本で証明すれば、委任状なしで請求できます。つまり、かつて同じ世帯だったかどうかではなく、「相続人かどうか」が判断基準になります。

なお、相続人ではない方が代理で請求する場合は、相続人からの委任状が必要です。自治体によって細かい運用が異なるため、不安な場合は事前に窓口へ電話で確認しておくと安心です。

除票は何通取得しておけばよいですか?

必要な通数は、予定している手続きの数によって変わります。目安として、以下のような手続きを予定しているなら、最低でもその数だけ原本が必要になる可能性があります。

ただし、法務局では原本還付制度があり、相続登記に使った除票の原本を返してもらえます。金融機関でもコピー対応してくれるところが増えています。

現実的には 2〜3通 を取得しておき、足りなくなったら追加で請求するのがおすすめです。一度に大量に取得して余らせるよりも、必要に応じて追加するほうが無駄がありません。

まとめ

住民票の除票は、ご家族が亡くなった後の相続手続きで繰り返し必要になる重要な書類です。ポイントを整理しておきます。

相続手続きでは、除票のほかにも戸籍謄本、遺産分割協議書、印鑑証明書など多くの書類が求められます。手続きの全体像については「相続手続きの全体ガイド」で時系列に沿って解説しています。

また、世帯主変更届健康保険の資格喪失届など、期限のある届出も忘れずに進めてください。やるべきことは多いですが、一つずつ順番に片付けていけば大丈夫です。

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