相続手続き

相続手続きの進め方 — 何から始める?流れと期限

更新日: 2026/2/27読了: 12分

この記事のまとめ

  • 相続放棄3か月・準確定申告4か月・相続税10か月が主な期限
  • 戸籍収集→遺言確認→財産調査→遺産分割の順で進める
  • 不動産の相続登記は3年以内の申請が義務化

はじめに

「何から手を付ければいいのか分からない」——相続手続きに直面した方の、最も多い声です。

やるべきことは多いのに期限があるものもある。この記事では、相続手続きの全体像を時系列で整理します。まず全体の流れを把握して、一つずつ進めていきましょう。

相続手続きの期限一覧

まず、期限が決まっている手続きを押さえておきます。

手続き期限届出先
相続放棄・限定承認3か月以内家庭裁判所
故人の所得税の準確定申告4か月以内税務署
相続税の申告・納付10か月以内税務署
相続登記(不動産の名義変更)3年以内(2024年4月〜義務化)法務局
遺留分侵害額請求相続を知ってから 1年以内相手方に直接

期限のない手続き(銀行口座の解約、遺産分割協議など)もありますが、放置するとかえって手間が増えます。早めに着手するのが鉄則です。

注意

相続放棄は3か月以内、準確定申告は4か月以内、相続税の申告は10か月以内。期限を過ぎると不利益が生じます。

ポイント

期限のない手続き(銀行口座の解約、遺産分割協議など)も放置すると手間が増えるため、早めの着手が有利です。

相続手続きの流れ

ステップ1: 相続人の確定(相続開始直後)

最初にやるべきことは「誰が相続人なのか」をはっきりさせることです。

具体的には、故人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本を集めます。これによって、法定相続人が誰なのかを証明できる。

戸籍の取り寄せは想像以上に時間がかかります。郵送でのやり取りになることが多いため、2〜4週間は見ておいてください。なお、相続登記や法定相続情報一覧図の作成には故人の住民票の除票(または戸籍の附票の写し)も必要になるため、戸籍謄本と合わせて早めに取得しておきましょう。

ステップ2: 遺言書の有無を確認する

遺言書があるかないかで、手続きの進め方がまったく変わります。

遺言書がある場合は、原則として遺言の内容に従って手続きを進めます。

ステップ3: 相続財産の調査

プラスの財産もマイナスの財産も、すべて洗い出します。相続放棄の判断にも、遺産分割の話し合いにも、この調査結果が土台になる。

プラスの財産:

マイナスの財産:

信用情報機関(CIC、JICC、KSC)に照会すれば、故人の借入状況を確認できます。

ステップ4: 相続放棄の検討(3か月以内)

マイナスの財産がプラスの財産を上回る場合は、相続放棄を検討します。期限は相続の開始を知った日から 3か月以内。家庭裁判所への申述が必要です。

詳しくは「相続放棄の期限は3か月 — 手続き方法・費用・注意点」で解説しています。

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ステップ5: 遺産分割協議

遺言書がない場合、相続人全員で「誰が何を受け取るか」を話し合います。これが遺産分割協議です。

遺産分割協議書は、銀行口座の解約、不動産の名義変更など、あらゆる相続手続きで必要になります。

ステップ6: 銀行口座の相続手続き

遺産分割協議がまとまったら、金融機関で口座の解約・払い戻し手続きを行います。口座は金融機関が死亡を知った時点で凍結されるため、早めの対応が重要です。

急ぎの場合は「仮払い制度」で1金融機関あたり上限150万円まで引き出せます。

詳しくは「故人の銀行口座が凍結されたら — 解除手続きと必要書類」をご覧ください。

ステップ7: 不動産の相続登記(3年以内)

故人名義の不動産がある場合、法務局で名義変更(相続登記)を行います。2024年4月から義務化され、相続を知った日から 3年以内 に申請しなければなりません。正当な理由なく怠ると 10万円以下の過料 の対象になります。

詳しくは「不動産の相続登記ガイド」で解説しています。

ステップ8: 相続税の申告(10か月以内)

相続財産の総額が基礎控除額を超える場合、相続税の申告・納付が必要です。期限は相続の開始を知った日の翌日から 10か月以内

基礎控除額の計算式: 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数

例えば法定相続人が3人なら、3,000万円 + 600万円 × 3 = 4,800万円 が基礎控除額。これを超えなければ申告は不要です。

詳しくは「相続税の申告ガイド」で解説しています。

専門家に相談すべきケース

以下に該当する場合は、早めに専門家への相談を検討してください。

なお、相続人が複数世代にわたって亡くなっている場合(数次相続)は手続きが複雑になります。詳しくは「数次相続の手続きガイド」をご覧ください。手続きを自分で進められない場合は、「委任状の書き方」を参考に代理人に委任することも可能です。

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まとめ

相続手続きは「期限のあるもの」を最優先で把握し、並行して戸籍収集や財産調査を進めるのがポイントです。一人で全部やろうとせず、必要に応じて専門家の力を借りてください。

死亡後に必要な手続きの全体像は「家族が亡くなったらやること一覧」にまとめています。

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