お金・費用

相続税の申告 — 基礎控除の計算と10か月の期限

更新日: 2026/2/27読了: 11分

この記事のまとめ

  • 基礎控除は3,000万円+600万円×法定相続人の数
  • 申告期限は死亡を知った翌日から10か月以内
  • 配偶者の税額軽減で1億6,000万円まで非課税

相続税がかかるかどうかの判断

相続税は、すべての相続に課されるわけではありません。遺産の総額が「基礎控除額」を超えた場合にだけ申告が必要になります。

実際のところ、相続税の申告が必要になるのは全体の約8〜9%程度。大半の相続では基礎控除の範囲内に収まります。

ポイント

基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)以下であれば申告不要です。全体の約9割は対象外です。

基礎控除額の計算

基礎控除額の計算式はシンプルです。

3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数

法定相続人の数基礎控除額
1人3,600万円
2人4,200万円
3人4,800万円
4人5,400万円

たとえば配偶者と子ども2人が相続人なら、基礎控除額は4,800万円。遺産の総額がこれを超えなければ、相続税はかかりません。

申告期限

相続税の申告期限は 相続の開始を知った日の翌日から10か月以内。届出先は故人の住所地を管轄する税務署です。

項目内容
申告期限相続の開始を知った日の翌日から 10か月以内
届出先故人の住所地の所轄税務署
納付方法現金一括納付が原則

10か月は長いようですが、財産の洗い出し・評価、遺産分割協議、書類の準備を考えると、余裕があるとは言えません。早めに動き始めることが重要です。

注意

申告期限は死亡を知った翌日から10か月以内。納付は原則現金一括です。遅れると延滞税・無申告加算税が発生します。

手続きの流れ

ステップ1: 相続財産の洗い出し・評価

故人が保有していた財産をすべてリストアップし、評価額を算出します。

対象となる主な財産:

不動産の評価は路線価方式や倍率方式を用いるため、自力での計算が難しいケースも多い。この段階で税理士に相談するのも一つの方法です。

ステップ2: 法定相続人の確定

故人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本を取得し、法定相続人を確定させます。基礎控除額の計算に直接関わるため、正確な把握が欠かせません。

ステップ3: 基礎控除額の計算

ステップ1で算出した遺産総額と、ステップ2で確定した法定相続人の数をもとに基礎控除額を計算。遺産総額が基礎控除額を超えるかどうかを確認します。

あなたに必要な手続きを一括確認

この手続き以外にも、状況に応じて多くの手続きが必要です。 おくやみノートなら、あなたに必要な手続きだけを自動で整理します。

手続きリストを作る(無料)

ステップ4: 遺産分割協議

誰が何を相続するかを相続人全員で話し合います。協議の進め方や協議書の書き方は「遺産分割協議のやり方」で詳しく解説しています。

ステップ5: 申告書の作成

遺産分割が決まったら、相続税の申告書を作成します。国税庁のウェブサイトから書式をダウンロードできます。計算が複雑になる場合は、税理士への依頼を検討してください。

ステップ6: 税務署に申告・納付

申告書と添付書類を故人の住所地の所轄税務署に提出し、相続税を納付します。申告後に行われる可能性のある税務調査については「相続税の税務調査」で対策を解説しています。

主な控除・特例

基礎控除のほかにも、税額を大きく減らせる控除・特例があります。

控除・特例内容
配偶者の税額軽減1億6,000万円、または法定相続分のいずれか大きい方まで非課税
小規模宅地等の特例居住用宅地は 330㎡まで80%減額
生命保険金の非課税枠500万円 × 法定相続人の数
死亡退職金の非課税枠500万円 × 法定相続人の数

配偶者の税額軽減は非常に大きい。配偶者が法定相続分(通常は遺産の1/2)以内で取得する場合、相続税はゼロになります。ただし、この特例を使うには申告書の提出が必要です。基礎控除以下になる場合でも申告が必要な点に注意してください。

相続税の税率

基礎控除を超えた部分(課税遺産総額を法定相続分で按分した各取得分)に対して、以下の税率が適用されます。

法定相続分に応ずる取得金額税率控除額
1,000万円以下10%
3,000万円以下15%50万円
5,000万円以下20%200万円
1億円以下30%700万円
2億円以下40%1,700万円
3億円以下45%2,700万円
6億円以下50%4,200万円
6億円超55%7,200万円

延納・物納

相続税は現金一括納付が原則ですが、一括で払えない場合の制度もあります。

いずれも事前に税務署への申請が必要です。

必要書類

書類取得先
相続税の申告書国税庁ウェブサイト・税務署
故人の出生〜死亡までの戸籍謄本市区町村役場
相続人全員の戸籍謄本市区町村役場
相続人全員の印鑑証明書市区町村役場
遺産分割協議書(写し)自分で作成
不動産の登記事項証明書法務局
固定資産税評価証明書市区町村役場
預貯金の残高証明書各金融機関
生命保険金の支払通知書保険会社

財産の内容によって追加書類が必要になることがあります。

PR提携サービス

タックスボイス相続税に強い税理士を無料紹介

  • 相続税に強い税理士を紹介
  • 紹介料無料・全国対応
  • 初回面談にコーディネーター同席
無料で税理士を紹介してもらう

まとめ

相続税の申告で最初にやるべきことは、基礎控除額の計算です。「3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数」を超えるかどうかで、申告の要否が決まります。10か月の期限は財産調査と遺産分割協議で大半が消える。後回しにせず、早い段階で動き始めてください。

死亡後のお金に関する手続き全般は「死亡後のお金の手続きまとめ」を、手続きの全体像は「家族が亡くなったらやること一覧」をご覧ください。

あなたに必要な手続きを一括確認

この手続き以外にも、状況に応じて多くの手続きが必要です。 おくやみノートなら、あなたに必要な手続きだけを自動で整理します。

手続きリストを作る(無料)

関連する記事

この記事をシェア