総合ガイド

配偶者が亡くなったらやること — 届出・相続・生活の手続きを時系列で解説

更新日: 2026/2/27読了: 18分

この記事のまとめ

  • 配偶者の死後、最初の14日間が手続きの山場
  • 遺族年金は届出しないと受け取れない
  • 相続では配偶者控除で1億6千万円まで非課税

はじめに

配偶者を亡くされた方へ。長年連れ添ったパートナーとの突然の別れに、深い悲しみの中にいらっしゃることと思います。それでも、届出や手続きは待ってくれません。

この記事では、配偶者が亡くなった後に必要な手続きを期限順に整理しました。すべてを一度にやる必要はありません。まずは期限の短いものだけ確認して、一つずつ進めてください。


手続きの全体像 — 時系列で整理

配偶者の死後に必要な手続きを期限順にまとめます。

時期主な手続き配偶者ならではのポイント
当日〜7日以内死亡届の提出・葬儀の手配
10〜14日以内年金受給停止・健康保険喪失届・世帯主変更世帯主変更届が必要になるケースが多い
14日以降〜遺族年金の請求子の有無で受給できる年金の種類が変わる
3か月以内相続放棄の判断
4か月以内準確定申告(該当する場合)
10か月以内相続税の申告配偶者の税額軽減で1億6千万円まで非課税
随時不動産・銀行口座・保険・公共料金の名義変更配偶者居住権の検討
ポイント

最初の14日間に期限が集中しています。死亡届・年金停止・健康保険の届出を優先し、その後の手続きは落ち着いてから進めても間に合います。


【当日〜7日以内】死亡届と葬儀

死亡届の提出

死亡の事実を知った日から 7日以内 に市区町村役場に提出します。死亡診断書と一体の書類で、多くの場合は葬儀社が代行してくれます。

提出前に死亡診断書のコピーを 5〜10部 取っておいてください。年金・保険・銀行などの手続きで繰り返し使います。

詳しい手続きは「死亡届の出し方」をご覧ください。


【10〜14日以内】年金・健康保険・世帯主変更

年金受給停止の届出

配偶者が年金を受給していた場合、速やかに届出が必要です。届出が遅れると過払いが発生し、返還を求められます。

年金の種類届出期限届出先
厚生年金死亡から 10日以内年金事務所
国民年金死亡から 14日以内市区町村役場または年金事務所

届出の際は 未支給年金の請求 も同時に行えます。亡くなった月分までの年金は配偶者が受け取れるため、窓口で必ず確認してください。

詳しくは「年金受給停止の届出方法」をご覧ください。

健康保険・介護保険の資格喪失届

保険の種類届出先期限
国民健康保険市区町村役場14日以内
後期高齢者医療市区町村役場14日以内
介護保険市区町村役場14日以内
社会保険(会社員だった場合)勤務先が手続き死亡翌日から5日以内

届出の際は 葬祭費(国民健康保険:3〜7万円程度)または 埋葬料(社会保険:5万円)の申請もできます。窓口で忘れずに申請してください。

配偶者が故人の社会保険の扶養に入っていた場合、自分自身の健康保険への加入手続き(国民健康保険への切り替えなど)も必要です。

世帯主変更届(14日以内)

故人が世帯主だった場合で、残された世帯員が2人以上いるときは 世帯主変更届 が必要です。配偶者が一人で残る場合は届出不要で、自動的に世帯主になります。

詳しくは「世帯主変更届の出し方」をご覧ください。

あなたに必要な手続きを一括確認

この手続き以外にも、状況に応じて多くの手続きが必要です。 おくやみノートなら、あなたに必要な手続きだけを自動で整理します。

手続きリストを作る(無料)

【14日以降】遺族年金の請求 — 届出しないと受け取れない

遺族年金は自動的には支給されません。配偶者自身が年金事務所に請求手続きを行う必要があります。

遺族基礎年金(子がいる配偶者が対象)

18歳到達年度末までの子(または20歳未満で障害等級1・2級の子)がいる配偶者に支給されます。

受給者年額(目安)
子が1人の配偶者約107万円
子が2人の配偶者約131万円

遺族厚生年金(会社員・公務員の配偶者)

故人が厚生年金に加入していた場合に受給できます。子の有無を問いません。受給額は故人の老齢厚生年金の約3/4です。

子のない妻が40歳以上65歳未満の場合、中高齢寡婦加算(年額約62万円)が上乗せされます。

注意

子がいない配偶者は遺族基礎年金を受給できません。ただし、故人が厚生年金に加入していた場合は遺族厚生年金を受給できる可能性があります。「自分には関係ない」と思い込まず、年金事務所で必ず確認してください。

遺族基礎年金を受給できない場合は「寡婦年金・死亡一時金」を受給できる可能性があります。

遺族年金の受給条件・申請方法の詳細は「遺族年金の手続き」で解説しています。


【3か月以内】相続放棄の判断

配偶者は常に法定相続人になります。故人に借金がある場合は、相続放棄を検討する必要があります。

注意

相続放棄の期限(3か月)を過ぎると原則として放棄できなくなります。故人に借金がある可能性がある場合は、早急に財産調査を始めてください。信用情報機関(CIC・JICC・KSC)に照会すれば借入状況を確認できます。

相続放棄について詳しくは「相続放棄の期限と手続き方法」をご覧ください。


【10か月以内】相続税の申告 — 配偶者の税額軽減

配偶者の税額軽減(配偶者控除)

配偶者には相続税の大幅な軽減制度があります。1億6千万円または法定相続分のどちらか多い金額まで相続税がかかりません(相続税法第19条の2)。

例えば、配偶者と子2人で遺産が1億円の場合、配偶者が全額取得しても相続税は0円です。

ただし、注意点があります。

配偶者控除の詳しい仕組みと二次相続への影響は「配偶者の税額軽減」で解説しています。

配偶者居住権

2020年4月施行の制度で、配偶者が自宅に住み続ける権利を取得できます。所有権を子に渡しつつ、配偶者は終身で住み続けられるため、「住む場所」と「生活資金」を両立しやすくなります。

遺産分割協議で配偶者居住権を設定するかどうかを検討してください。


【随時】名義変更の手続き

不動産の相続登記(3年以内に義務化)

2024年4月から相続登記が義務化されました。相続を知った日から 3年以内 に法務局で登記申請が必要です。怠った場合は10万円以下の過料の対象です。

詳しくは「不動産の相続登記ガイド」をご覧ください。

銀行口座・生命保険

手続き届出先備考
銀行口座の相続手続き各金融機関遺産分割協議書等が必要
生命保険の請求保険会社死亡から3年以内(保険法第95条)
自動車の名義変更陸運局相続後15日以内

銀行口座の凍結と仮払い制度については「故人の銀行口座が凍結されたら」を参照してください。

公共料金・携帯電話の名義変更

サービス対応
電気・ガス・水道名義変更または解約
携帯電話解約または名義変更
固定電話・インターネット名義変更または解約
NHK受信料名義変更または解約
クレジットカード解約(故人名義のもの)

公共料金の名義変更は「公共料金の名義変更手続き」、携帯電話は「携帯電話の解約・名義変更手続き」で解説しています。


よくある質問

Q. 夫が亡くなりました。専業主婦でも遺族年金はもらえますか?

A. 受給できる可能性が高いです。夫が厚生年金に加入していた場合は遺族厚生年金の対象になります。子がいれば遺族基礎年金も受給できます。子がいない場合でも遺族厚生年金は受給でき、40歳以上65歳未満であれば中高齢寡婦加算(年額約62万円)も上乗せされます。年金事務所で受給停止届と一緒に相談してください。

Q. 配偶者控除を使えば相続税は全くかからないのですか?

A. 1億6千万円または法定相続分までは非課税になりますが、二次相続(ご自身が亡くなったとき)に子の税負担が大幅に増える可能性があります。目先の税額だけでなく、一次・二次を通じたトータルでの検討が重要です。遺産総額が大きい場合は税理士に相談することをおすすめします。

Q. 故人名義の自宅に住み続けられますか?

A. はい。配偶者居住権(2020年4月施行)を活用すれば、所有権を子に移しても終身で住み続けることができます。また、小規模宅地等の特例により、配偶者が自宅の土地を相続する場合は評価額が最大80%減額されます。遺産分割協議の際に検討してください。

Q. 手続きが多すぎて何から始めればいいか分かりません。

A. まずは14日以内の手続き(死亡届・年金停止・健康保険の届出)だけに集中してください。多くの市区町村役場には「おくやみコーナー」があり、複数の手続きをまとめて案内してもらえます。一人で抱え込まず、家族や専門家の力を借りてください。


まとめ

配偶者を亡くした後の手続きは多岐にわたりますが、期限のあるものから順に対応すれば、一つずつ確実に進められます。特に遺族年金の請求と配偶者の税額軽減は、届出しなければ受けられない制度です。忘れずに手続きしてください。

PR提携サービス

相続アシスト相続手続きをゼロタッチで一括代行

  • 相続税申告から名義変更まで専門家が一括代行
  • 税理士・司法書士・弁護士のワンストップ体制
  • 全国対応・オンラインで完結
相続アシストで無料相談する

手続きの全体像は「家族が亡くなったらやること一覧」をご覧ください。

あなたに必要な手続きを一括確認

この手続き以外にも、状況に応じて多くの手続きが必要です。 おくやみノートなら、あなたに必要な手続きだけを自動で整理します。

手続きリストを作る(無料)

関連する記事

この記事をシェア