戸籍謄本の取り寄せ方 — 種類・取得先・郵送請求
目次
この記事のまとめ
- —相続には出生から死亡まで連続した戸籍が必要
- —広域交付制度で最寄りの窓口から一括請求可能
- —1人あたり4〜10通・費用目安は3,000〜8,000円
はじめに — 相続手続きと戸籍謄本
ご家族が亡くなった後の相続手続きでは、「出生から死亡までの連続した戸籍謄本」を揃えることが最初の大仕事になります。銀行口座の解約、不動産の名義変更(相続登記)、年金・保険の手続きなど、ほぼすべての相続関連手続きで戸籍謄本の提出が求められます。
ところが、「戸籍謄本」「除籍謄本」「改製原戸籍」の違いがわからない、どこに何通請求すればよいかわからない、という方が少なくありません。
この記事では、相続で必要な戸籍の種類と違い、取得先、窓口・郵送それぞれの請求手順、2024年3月から始まった広域交付制度の活用法まで、実務に即して解説します。
相続手続きで必要な戸籍の種類
相続で使う戸籍には、大きく分けて3種類があります。それぞれ目的と内容が異なるため、まず違いを整理しておきましょう。
戸籍謄本(全部事項証明書)
現在も有効な戸籍に記載されている全員の情報を証明する書類です。「謄本(とうほん)」は「全員分のコピー」という意味で、法律上の正式名称は「全部事項証明書」といいます。
現在の戸籍はコンピュータ化されており、横書きで見やすいのが特徴です。被相続人(亡くなった方)については、死亡が記録されている直近の戸籍がこれにあたります。
手数料は 1通450円 です。
除籍謄本(除籍全部事項証明書)
戸籍に記載されていた全員が除籍(婚姻・死亡・転籍など)された結果、現在は誰も在籍していない戸籍の謄本です。被相続人が過去に本籍を置いていた市区町村に残されており、古い時代の家族関係や本籍地の変遷を把握するために取得します。
手数料は 1通750円 です。
改製原戸籍謄本(かいせいはらこせきとうほん)
法改正によって戸籍の様式が変わった際、古い様式で作られた戸籍が「改製原戸籍」として保管されます。主に以下の2回の大規模な改製で作られました。
- 昭和改製原戸籍: 昭和32年の戸籍法改正時に改製
- 平成改製原戸籍: 平成6〜17年頃のコンピュータ化に伴う改製
改製の際に新しい戸籍に引き継がれなかった情報(改製前に婚姻・死亡・転籍した人の記録など)が残されているため、出生まで遡る調査では欠かせない書類です。
手数料は 1通750円 です。
3種類の違いまとめ
| 書類の種類 | 正式名称 | 手数料 | 主な用途 |
|---|---|---|---|
| 戸籍謄本 | 全部事項証明書 | 450円 | 現在の家族関係・死亡事実の確認 |
| 除籍謄本 | 除籍全部事項証明書 | 750円 | 旧本籍地での家族関係の確認 |
| 改製原戸籍謄本 | 改製原戸籍謄本 | 750円 | 法改正前の古い家族関係の確認 |
なお、特定の1人分だけを証明する「抄本(しょうほん)」という書類もありますが、相続手続きでは原則として全員分が記載された「謄本」を求められます。
なぜ「出生から死亡まで」の戸籍が必要なのか
相続手続きでは、被相続人の出生から死亡までの戸籍をすべて取得して、法定相続人を漏れなく確定させる必要があります。
現在の戸籍だけでは確認できない情報——たとえば前婚の子、認知した子、養子縁組の履歴——が過去の戸籍に記録されているからです。これらを見落とすと、相続人の確定が誤ったものになり、後から遺産分割のやり直しを迫られる可能性があります。
銀行や法務局も、「出生から死亡まで連続した戸籍一式」を提出することで初めて手続きを受け付けます。
戸籍の収集に漏れがあると、法定相続人の確定が誤り、遺産分割協議がやり直しになる可能性があります。出生から死亡まで途切れなく揃っているか必ず確認してください。
法定相続人の確定手順の詳細は「法定相続人の調べ方」で解説しています。
「出生から死亡まで」の戸籍を集める手順
実際にどのように戸籍を集めるか、手順を追って説明します。
ステップ1: 死亡が記載された戸籍謄本を取得する
出発点は被相続人の最後の本籍地の市区町村役場です。死亡届が受理されると自動的に戸籍に死亡が記載されるため、その戸籍謄本を最初に取得します。
取得後は、その戸籍に「転籍」「婚姻」「改製」などの事項が記載されているかを確認します。
ステップ2: 前の戸籍をたどる
取得した戸籍の「従前戸籍」欄や「入籍・転籍」の記載を手がかりに、一つ前の本籍地でさらに古い戸籍(除籍謄本または改製原戸籍謄本)を取得します。この作業を被相続人の出生が記載された戸籍が見つかるまで繰り返します。
一般的な被相続人(昭和生まれ)では、以下のような流れで戸籍をたどることになります。
| 順番 | 書類の種類 | 内容のイメージ |
|---|---|---|
| 1 | 戸籍謄本 | 死亡が記録された最新の戸籍(結婚後に編製) |
| 2 | 改製原戸籍謄本(平成改製) | コンピュータ化前の戸籍 |
| 3 | 改製原戸籍謄本(昭和改製) | 昭和32年改製前の戸籍(出生が記録) |
| 4 | 除籍謄本 | 父の戸籍(被相続人が在籍していたもの) |
ただし、転籍・婚姻の回数や本籍地の変遷によっては、これより多くなることも少なくありません。1人の被相続人で4〜10通の戸籍が必要になるのが標準的です。
ステップ3: 相続人全員の戸籍謄本を取得する
被相続人の戸籍で確定した法定相続人全員について、現在の戸籍謄本(存命であることの証明)を取得します。相続人が子3人であれば、3通必要です。
相続人の戸籍は、各相続人の現在の本籍地で取得します。本籍地がわからない場合は、住民票(本籍地記載のもの)を取得すれば確認できます。
- 被相続人の最後の本籍地で死亡が記載された戸籍謄本を取得する
- 「従前戸籍」欄を手がかりに出生まで遡って連続した戸籍を収集する
- 相続人全員の現在の戸籍謄本を取得する
- 収集した戸籍に漏れがないか確認する(認知・養子縁組の記録も確認)
- 法定相続情報一覧図の作成を法務局に申し出る(任意・無料)
取得先と取得方法
取得先
戸籍謄本は本籍地の市区町村役場(戸籍課・市民課・住民課など)が交付します。住所地ではなく本籍地であることに注意してください。
本籍地と住所地は別物です。本籍地は一度も変えていない方もいれば、結婚や転居のたびに変えている方もいます。本籍地が不明な場合は、住民票に「本籍地記載あり」として請求すれば確認できます。
取得方法①: 窓口申請
最も確実で、最も早く受け取れる方法です。混雑状況によりますが、15〜30分程度で交付を受けられます。
窓口申請に必要なもの
- 交付申請書(窓口に備え付け、または自治体HPからダウンロード)
- 請求者の本人確認書類(マイナンバーカード・運転免許証・パスポートなど)
- 手数料(現金)
- 被相続人との関係を証明する書類(第三者的立場での請求の場合)
相続人として故人の戸籍を請求する場合、現在の自分の戸籍謄本(故人との親族関係がわかるもの)を提示することで認められます。
取得方法②: 郵送申請
本籍地が遠方にある場合や、窓口に行く時間が取れない場合に有効です。以下の書類をまとめて本籍地の市区町村役場(戸籍課)宛に郵送します。
1. 交付申請書
各自治体のホームページから申請書をダウンロードして印刷します。記入事項は以下の通りです。
- 被相続人の氏名・本籍・生年月日・死亡年月日
- 請求者の氏名・現住所・電話番号
- 被相続人との関係(例: 長男、配偶者)
- 請求理由(例: 「相続手続きのため。出生から死亡までの連続した戸籍が必要。」)
- 必要な通数(自信がなければ「出生から死亡まで一式」と記載)
2. 定額小為替
郵送での手数料支払いには**定額小為替(ていがくこがわせ)**を使います。郵便局(ゆうちょ銀行)の窓口で購入できます。コンビニやATMでは購入できません。
必要な金額(戸籍謄本450円、除籍謄本・改製原戸籍謄本は750円)分の定額小為替を用意してください。何通必要か事前にわかっている場合はその分を、不明な場合は多めに(2,000〜3,000円分)用意しておくと安心です。余った分は役所から返金されます。
定額小為替の購入時には1枚あたり100円の手数料がかかります。定額小為替には何も記入せず、未記入のまま同封するのが一般的です(役所側で必要事項を記入して処理します)。
3. 返信用封筒
長形3号封筒に、請求者の郵便番号・住所・氏名を記入して切手を貼ったものを同封します。戸籍が複数通になると封筒が厚くなるため、切手は110〜140円程度を貼り、念のため多めにしておくと安心です。不足があると届かない可能性があります。
4. 請求者の本人確認書類のコピー
運転免許証またはマイナンバーカード(表面のみ)のコピーを同封します。マイナンバーカードの裏面(個人番号が記載されている面)はコピー不要です。
5. 被相続人との関係を証明する書類(必要な場合)
相続人以外の第三者的立場で請求する場合は、関係を証明する書類と請求理由が必要です。相続人として請求する場合でも、自治体によっては関係書類の提出を求めることがあるため、不安な場合は事前に電話で確認してください。代理人が請求する場合の委任状の書き方は「委任状の書き方」で解説しています。
郵送申請に必要なものまとめ
| 書類 | 備考 |
|---|---|
| 交付申請書 | 自治体HPからダウンロード・印刷 |
| 定額小為替 | 郵便局窓口で購入(100円/枚の手数料あり) |
| 返信用封筒(切手貼付済) | 長形3号、請求者の住所・氏名を記入 |
| 本人確認書類のコピー | 免許証・マイナンバーカード(表面)等 |
| 関係証明書類(必要な場合) | 自治体の指示に従う |
郵送にかかる日数
投函から手元に届くまで1週間〜10日程度が目安です。本籍地が遠方であったり、戸籍の通数が多かったりすると、役所での処理に時間がかかりさらに日数が延びることもあります。相続登記の期限や銀行手続きのスケジュールを考慮し、余裕を持って早めに請求することをおすすめします。
2024年3月開始「広域交付制度」を活用する
2024年(令和6年)3月1日から、戸籍法の改正により広域交付制度が始まりました。これは相続手続きにおける戸籍収集を大幅に効率化する画期的な制度です。
広域交付制度とは
従来は、戸籍謄本を取得するためには本籍地の市区町村役場にしか請求できませんでした。被相続人が生涯に複数の本籍地に住んでいた場合、それぞれの自治体に別々に郵送請求する必要があり、時間も費用もかかっていました。
広域交付制度では、全国どこの市区町村窓口でも、本籍地にかかわらず戸籍の交付を請求できるようになりました。
広域交付制度のメリット
最寄りの市区町村役場1か所に行くだけで、被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍をまとめて請求できます。複数の自治体への郵送請求が不要になるため、時間と郵便代が大幅に節約できます。
広域交付制度の制限事項
便利な制度ですが、以下の制限があるため注意が必要です。
| 制限事項 | 内容 |
|---|---|
| 請求方法 | 窓口のみ(郵送・オンラインでは利用不可) |
| 請求できる人 | 本人・配偶者・直系親族(親・子・祖父母・孫)に限定 |
| 対象書類 | 戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍謄本(抄本・附票は対象外) |
| 対応状況 | 一部の古い戸籍(コンピュータ化が進んでいない自治体)は対象外の場合がある |
兄弟姉妹が相続人になるケースでは、兄弟姉妹は直系親族ではないため広域交付制度を使えません。その場合は従来通り本籍地への郵送請求が必要です。
広域交付制度の活用が特に有効なケース
- 被相続人の本籍地が複数の都道府県にまたがっている
- 請求者(配偶者・子など)の居住地に近い役所が、被相続人の本籍地とは別の自治体である
- まとめて一気に請求して時間を節約したい
2024年3月開始の広域交付制度を使えば、最寄りの市区町村窓口1か所で出生から死亡までの戸籍を一括請求できます。複数の自治体への郵送請求が不要になり、時間と費用を大幅に節約できます。
コンビニ交付について
マイナンバーカードを使ったコンビニ交付サービスでは、住民票の写しや印鑑証明書などの証明書を取得できます。しかし、相続手続きで必要な除籍謄本・改製原戸籍謄本はコンビニ交付の対象外です。
現在の戸籍謄本(全部事項証明書)はコンビニ交付に対応している自治体もありますが、対象は本籍地と居住地が同一の市区町村の場合のみです。本籍地と居住地が別々の自治体であれば、コンビニ交付は使えません。
また、被相続人(故人)のマイナンバーカードは、死亡届の受理によって失効します。故人のカードでコンビニ交付を試みることはできません。
相続に必要な戸籍一式は、基本的に窓口申請または郵送申請で取得することになります。
費用の目安
相続手続きで戸籍を集める際の費用を試算します。
| 費用の種類 | 金額の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 戸籍謄本 | 450円/通 | 現在の戸籍 |
| 除籍謄本 | 750円/通 | 除籍された戸籍 |
| 改製原戸籍謄本 | 750円/通 | 法改正前の戸籍 |
| 定額小為替手数料(郵送の場合) | 100円/枚 | 郵便局窓口で購入 |
| 返信用切手(郵送の場合) | 110〜140円程度 | 通数・重量による |
| 郵送費(送付分、郵送の場合) | 110〜140円程度 |
被相続人1人あたりの戸籍収集にかかる実費の目安は、おおむね3,000円〜8,000円です。転籍・婚姻の回数が多い方や、本籍地が複数の自治体にわたる場合は費用が増えることがあります。
費用を抑えるポイント
法定相続情報一覧図を活用する
集めた戸籍謄本をもとに「法定相続情報一覧図」を法務局に申し出ると、法務局が認証した一覧図を無料で何通でも交付してもらえます。銀行・保険会社・法務局など複数の手続きで戸籍謄本の束の代わりにこの一覧図を使えるため、戸籍謄本を大量に取得する必要がなくなります。
原本還付制度を活用する
法務局への相続登記では「原本還付」を申請することで、提出した戸籍謄本の原本を返却してもらえます。返却された原本は他の手続きにも使い回せます。
まとめて請求して郵送料を節約する
郵送請求をする際は、1つの役所に複数通まとめて請求すれば郵送料が1往復分で済みます。通数の見当がつかない場合は「出生から死亡まで一式」と記載して一括請求しましょう。
戸籍を読む際のポイント
古い戸籍は縦書き・手書きで読み取りが難しいことがあります。以下のポイントを押さえて確認してください。
「従前戸籍」の記載を確認する
婚姻・転籍・改製の際には「従前戸籍(じゅうぜんこせき)」として、その前に在籍していた本籍地が記載されます。これが次に取得すべき戸籍の手がかりになります。
身分事項欄を見落とさない
各人の出生・婚姻・離婚・養子縁組・認知・死亡などの事実は「身分事項欄」に記載されます。特に認知・養子縁組の記録は見落としやすいため注意が必要です。
除籍された人の欄も確認する
婚姻や死亡で戸籍から除籍された方の記録も残っています。除籍された子や養子がいないか、必ず確認してください。
戸籍の種類と時代の対応
| 時代 | 戸籍の形式 |
|---|---|
| 現在 | 横書き(コンピュータ化) |
| 平成改製前(昭和後期〜平成初期) | 縦書きタイプ |
| 昭和改製前(昭和32年以前) | 縦書き手書き |
| 大正・明治 | 縦書き毛筆・手書き |
戸籍の読み解きが難しいと感じる場合は、司法書士や行政書士に相談することも選択肢です。戸籍収集から相続人確定までの代行費用の目安は3万〜8万円程度です。
取得した戸籍の管理と活用
戸籍をどこに提出するか
集めた戸籍謄本は、相続手続きのさまざまな場面で提出することになります。
| 手続き | 提出先 | 必要な戸籍の主な種類 |
|---|---|---|
| 相続登記(不動産名義変更) | 法務局 | 出生〜死亡の連続戸籍 + 相続人の現在戸籍 |
| 銀行口座の解約・払い戻し | 金融機関 | 出生〜死亡の連続戸籍 + 相続人の現在戸籍 |
| 生命保険金の請求 | 保険会社 | 死亡が記載された戸籍 + 相続人の現在戸籍 |
| 相続税の申告 | 税務署 | 出生〜死亡の連続戸籍 |
| 年金の手続き | 年金事務所 | 死亡が記載された戸籍 |
不動産の相続登記については「相続登記(不動産の名義変更)ガイド」、銀行口座の解約については「故人の銀行口座が凍結されたら」もあわせてご確認ください。
法定相続情報一覧図の作成を検討する
複数の手続きを予定しているなら、戸籍一式を揃えた段階で法定相続情報一覧図を作成しておくことを強くおすすめします。
法定相続情報一覧図とは、法務局が認証する「相続関係を一覧にした書面」です。2017年に導入された制度で、一度作成・認証を受けると以下のメリットがあります。
- 複数の手続きで戸籍謄本の束の代わりに使い回せる
- 法務局での発行は無料(何通でも)
- 提出した戸籍謄本の原本を返却してもらえる
申出先は、被相続人の本籍地・最後の住所地・申出人の住所地・被相続人名義の不動産所在地を管轄する法務局のいずれかです。
取得した戸籍謄本をもとに「相続関係説明図」を作成すると、その後の手続きがスムーズに進みます。
戸籍収集の全体スケジュール
戸籍収集にはまとまった時間がかかります。相続放棄の期限(3か月)や相続税の申告期限(10か月)を踏まえ、早めに着手することが重要です。
| 段階 | 内容 | 目安の期間 |
|---|---|---|
| 1 | 被相続人の最後の本籍地で戸籍謄本を取得 | 数日〜1週間 |
| 2 | 出生まで遡って連続した戸籍を収集(広域交付制度または郵送) | 2〜4週間 |
| 3 | 相続人全員の現在の戸籍謄本を取得 | 1〜2週間 |
| 4 | 法定相続情報一覧図の作成・法務局への申出(任意) | 1〜2週間 |
| 5 | 相続人の確定 → 各種相続手続きへ | — |
相続手続きの全体スケジュールは「相続手続きの全体ガイド」で確認できます。また、住民票の除票(被相続人の最後の住所を証明する書類)の取得方法については「住民票の除票の取り方」をご参照ください。
相続アシスト — 相続手続きをゼロタッチで一括代行
- ・相続税申告から名義変更まで専門家が一括代行
- ・税理士・司法書士・弁護士のワンストップ体制
- ・全国対応・オンラインで完結
よくある質問
Q1. 戸籍謄本と戸籍抄本の違いは何ですか?
戸籍謄本(全部事項証明書)は戸籍に記載されている全員分の情報を証明するもの、戸籍抄本(個人事項証明書)は戸籍に記載されている人のうち特定の1人分だけを証明するものです。
相続手続きでは、家族関係全体の確認が必要なため、原則として謄本が求められます。抄本では足りない場合がほとんどです。请求の際は「謄本(全部事項証明書)」と明記してください。
Q2. 郵送請求で「何通必要か」がわからない場合はどうすればよいですか?
申請書の通数欄に「出生から死亡まで一式」と記載して請求するのが最も確実です。役所側で必要な通数を判断して交付してくれます。
不安な場合は、請求前に本籍地の市区町村役場に電話して「被相続人の出生から死亡までの戸籍を相続のために取得したい。何通くらい必要ですか」と相談するのも有効です。窓口の担当者が保管状況を案内してくれることがあります。
定額小為替は余分に用意しておき、不足があれば役所から不足額の連絡がきますので、追加で送付します。余った分は返金されます。
Q3. 広域交付制度を使えば、郵送請求は一切不要になりますか?
すべてのケースで不要になるわけではありません。広域交付制度の対象は本人・配偶者・直系親族が窓口で請求する場合に限られます。
兄弟姉妹が相続人になるケース(被相続人に子も直系尊属もいない場合)では、兄弟姉妹は直系親族でないため広域交付制度を使えません。また、一部の古い形式の戸籍(コンピュータ化が進んでいない自治体)は広域交付の対象外になる場合があります。
広域交付制度で対応できない戸籍については、従来通り本籍地への郵送請求が必要です。
Q4. 相続登記に提出した戸籍謄本の原本は返してもらえますか?
はい、法務局では原本還付制度があります。相続登記の申請時に「原本還付」と記載したコピーを同封して申請すると、手続き終了後に原本を返却してもらえます。
返却された戸籍謄本の原本は、銀行口座の解約手続きや保険金の請求など、他の相続手続きで再利用できます。法務局では法定相続情報一覧図を作成してもらうことで、そもそも戸籍謄本の原本を繰り返し提出する必要をなくすことも可能です。
Q5. 戸籍の収集を専門家に任せることはできますか?
はい、司法書士や行政書士に戸籍の収集を代行してもらうことができます。費用の目安は3万〜8万円程度(別途実費の戸籍手数料が必要)です。
古い戸籍の読み解きが難しい場合、家族関係が複雑で相続人の確定に不安がある場合、遠方の複数の自治体への請求が必要な場合などは、専門家への依頼を検討してみてください。
まとめ
相続手続きで必要な戸籍謄本の取り寄せについて、要点を整理します。
- 必要な戸籍の種類: 戸籍謄本(450円)・除籍謄本(750円)・改製原戸籍謄本(750円)の3種類
- 被相続人に必要な通数: 一般的に4〜10通(費用目安: 3,000〜8,000円)
- 広域交付制度: 2024年3月開始。最寄りの窓口で連続戸籍を一括請求可能(窓口・本人/配偶者/直系親族のみ)
- 郵送請求: 申請書・定額小為替・返信用封筒・本人確認書類のコピーが必要。届くまで1〜2週間
- コンビニ交付: 除籍謄本・改製原戸籍謄本は対象外
- 法定相続情報一覧図: 戸籍収集後に作成すると複数の手続きで使い回せて便利(法務局で無料交付)
戸籍の収集は相続手続きの最初の関門です。広域交付制度をうまく活用し、早めに着手することが、その後の手続きをスムーズに進める鍵になります。
相続手続き全体の流れは「相続手続きの全体ガイド」で、相続人の確定手順は「法定相続人の調べ方」で詳しく解説しています。
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住民票の除票の取り方を窓口・郵送別に解説。手数料は1通300円で、コンビニでの取得は不可。必要書類は申請書・本人確認書類・戸籍謄本です。故人の住所地の市区町村役場で請求でき、相続人であれば取得可能。相続登記や銀行口座の解約手続きで必要になります。