お金・費用

香典の相場とマナー — 関係別の金額目安・書き方・渡し方

更新日: 2026/2/27読了: 25分

この記事のまとめ

  • 金額は故人との関係と年代で3千〜10万円が目安
  • 宗教不明なら表書きは「御霊前」で無地の袋を選ぶ
  • 香典返しは半額程度が一般的で四十九日後に送る

はじめに

葬儀に参列するとき、香典にいくら包めばいいのか迷う方は多いでしょう。少なすぎれば失礼にあたり、多すぎればかえって遺族に気を遣わせてしまいます。

この記事では、故人との関係別の相場、不祝儀袋の選び方、表書き・中袋の書き方、受付での渡し方、そして香典返しの目安まで、香典に関するマナーをひととおり整理します。

香典の相場一覧(関係別・年代別)

香典の金額は、故人との関係の深さとご自身の年齢によって変わります。以下はあくまで目安です。

親族の場合

故人との関係20代30代40代以上
両親3万〜5万円5万〜10万円5万〜10万円
兄弟・姉妹3万〜5万円3万〜5万円5万円
祖父母1万円1万〜3万円3万〜5万円
おじ・おば1万円1万〜2万円1万〜3万円
その他の親族3,000〜1万円5,000〜1万円5,000〜1万円

友人・知人の場合

故人との関係20代30代40代以上
親しい友人5,000〜1万円5,000〜1万円5,000〜1万円
知人・近所の方3,000〜5,000円3,000〜5,000円3,000〜1万円
友人の親3,000〜5,000円3,000〜1万円3,000〜1万円

職場関係の場合

故人との関係20代30代40代以上
上司5,000円5,000〜1万円1万円
同僚5,000円5,000〜1万円1万円
部下5,000円5,000〜1万円1万円
取引先5,000〜1万円1万円1万円

地域によって相場が異なることもあります。たとえば北海道や東北では全体的にやや低め、関東では高めという傾向があります。迷ったら同じ立場で参列する方に確認するのが確実です。

また、上記は通夜・告別式の相場です。法要(四十九日、一周忌など)に参列する場合は、葬儀時よりやや少なめの金額を包むことが多く、一般的には5,000〜1万円が目安です。

金額で気をつけること

注意

新札は「あらかじめ準備していた」という印象を与えるため使わないでください。また、金額は「4」「9」を避けた奇数(1万・3万・5万円など)にするのがマナーです。

不祝儀袋(香典袋)の選び方

香典袋は、包む金額と故人の宗教に合わせて選びます。

金額に応じた袋の選び方

金額袋の目安
3,000〜5,000円水引が印刷されたもの
1万〜3万円黒白または双銀の水引がついたもの
5万〜10万円高級和紙・双銀の水引がついた大判のもの

包む金額と袋の格を合わせるのがポイントです。5,000円を包むのに豪華な袋を使ったり、5万円を印刷の袋に入れたりしないようにしましょう。

宗教別の選び方

宗教袋の特徴水引
仏式無地、または 蓮の花 が描かれたもの黒白または双銀
神式無地 のもの(蓮の花は不可)黒白または双銀
キリスト教式十字架 または ユリの花 が描かれたもの水引なし
宗教不明無地 のもの黒白または双銀

蓮の花は仏教のシンボルなので、神式やキリスト教式には使えません。故人の宗教が分からない場合は、無地で黒白の水引がついたものを選べば無難です。

なお、水引の結び方は「結び切り」(一度結んだらほどけない形)を選びます。蝶結び(何度でも結び直せる形)は慶事用なので、弔事では絶対に使わないでください。

表書きの書き方

表書き(香典袋の上段に書く文字)は、宗教と時期によって使い分けます。

宗教別の表書き

宗教・宗派通夜・告別式四十九日以降
仏式(浄土真宗以外)御霊前御仏前
仏式(浄土真宗)御仏前御仏前
神式御玉串料 または 御神前
キリスト教(カトリック)御花料 または 御霊前
キリスト教(プロテスタント)御花料
宗教不明御霊前

「御霊前」と「御仏前」の違いを押さえてください。仏教(浄土真宗以外)では、四十九日までは故人はまだ「霊」の状態であり、四十九日を境に「仏」になるとされます。そのため、通夜・告別式では「御霊前」、四十九日の法要以降は「御仏前」を使います。

ただし浄土真宗は「即身成仏」の教えから、亡くなった時点ですでに仏になると考えるため、最初から「御仏前」を使います。

プロテスタントでは「御霊前」は使えません。「霊」の概念が異教の偶像崇拝にあたるとみなされるためです。宗派がわからないキリスト教式の場合は「御花料」が安全です。

宗教が分からないときは「御霊前」を選びましょう。ほとんどの宗教で使えます(浄土真宗とプロテスタントを除く)。

ポイント

故人の宗教がわからないときは、表書きを「御霊前」にし、無地で黒白の水引がついた香典袋を選べば、ほとんどの宗教で失礼になりません。

名前の書き方

表書きの下段には、フルネームを縦書きで記入します。

筆記具は薄墨の筆ペンが正式です。「悲しみの涙で墨が薄くなった」という意味が込められています。ボールペンやサインペンは略式にあたるため、できれば避けたいところです。なお、四十九日以降の法要では通常の濃い墨を使います。薄墨は通夜・告別式のみのマナーです。

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中袋の書き方

中袋(内袋)は、金額・住所・氏名を記入する封筒です。

表面 — 金額の書き方

中袋の表面中央に、包んだ金額を旧字体(大字)で縦書きします。

金額旧字体での書き方
3,000円金参仟圓也
5,000円金伍仟圓也
1万円金壱萬圓也
2万円金弐萬圓也
3万円金参萬圓也
5万円金伍萬圓也
10万円金壱拾萬圓也

旧字体を使う理由は、金額の改ざんを防ぐためです。たとえば「一」は一画足すだけで「二」に変えられますが、「壱」ならそうはいきません。

裏面 — 住所と氏名

中袋の裏面左下に、郵便番号・住所・氏名を縦書きで記入します。

中袋がない場合

コンビニなどで購入した香典袋に中袋がついていない場合は、外包みの裏面左下に金額・住所・氏名を直接記入します。

お札の入れ方

お札は中袋の表面(金額を書いた側)に対して、肖像画が裏面になるように入れます。複数枚ある場合は向きを揃えてください。また、中袋を外包みに戻す際は、外包みの裏面が「上側の折り返しが上に来る」ようにします。これは「悲しみを流す」意味があり、慶事(下側が上)とは逆です。

渡し方のマナー

袱紗(ふくさ)の使い方

香典袋はそのまま持ち歩かず、袱紗に包んで持参するのがマナーです。

袱紗の色: 弔事では紺、グレー、深緑、黒などの寒色系を使います。紫色は慶弔両方で使えるので、1枚持っておくと便利です。

包み方: 袱紗を開いて中央より右側に香典袋を置き、右→下→上→左の順に折りたたみます。弔事では「左開き」が正式です。慶事とは逆になるので注意してください。

受付での渡し方

  1. 受付に着いたら、「この度はご愁傷様でございます」とお悔やみの言葉を述べ、一礼する
  2. 袱紗から香典袋を取り出す
  3. 袱紗をたたみ、その上に香典袋を乗せる
  4. 表書きが相手から読める向きに回す(反時計回り)
  5. 両手で差し出す
  6. 芳名帳に住所・氏名を記帳する

袱紗ごと手渡すのはマナー違反です。必ず袱紗から取り出して渡してください。

受付がない場合

家族葬など受付がない場合は、ご遺族に直接手渡します。「御霊前にお供えください」と一言添えましょう。祭壇に直接供える場合は、表書きが自分から読める向き(自分側に正面)で置きます。

お悔やみの言葉

受付や遺族に対して述べる言葉として、以下が一般的です。

「重ね重ね」「たびたび」「再び」など、不幸が繰り返すことを連想させる「忌み言葉」は避けましょう。長々と話す必要はなく、短い言葉で十分です。

香典返し

香典をいただいた側のマナーも簡単に触れておきます。

半返しが基本

香典返しの相場は、いただいた香典の 半額程度(半返し) が一般的です。地域や状況によっては3分の1返しとする場合もあります。

受け取った香典香典返しの目安
5,000円2,000〜2,500円
1万円3,000〜5,000円
3万円1万〜1万5,000円
5万円1万5,000〜2万5,000円

即日返しの場合

最近は通夜・告別式の当日にお返しを渡す「即日返し」も増えています。即日返しの場合は、金額に関係なく一律 2,000〜3,000円程度 の品物を用意するのが一般的です。高額の香典をいただいた方には、後日あらためてお返しを送ります。

品物の選び方

香典返しには「消えもの」(使ったらなくなるもの)が適しているとされています。

商品券や現金でのお返しは「金額が相手に伝わる」ため避けるのが一般的です。肉や魚など「四つ足」の食品も弔事の返礼としては好ましくないとされています。

時期

忌明け(四十九日法要後)から1か月以内にお返しするのが通常の流れです。挨拶状を添えて送ります。

家族葬での香典辞退

近年増えている家族葬では、香典を辞退するケースも少なくありません。

辞退する側のマナー

曖昧な表現は避けてください。「お気遣いなく」程度では、持参すべきか判断できず参列者を困らせてしまいます。

辞退された側のマナー

それでも参列者が香典を差し出した場合、遺族側はありがたく受け取るのがマナーとされています。お互いの気持ちを尊重することが大切です。

家族葬の段取りや流れについては「家族が亡くなった直後にやるべき5つのこと」もあわせて確認してください。

香典に税金はかかるか

結論から言うと、社会通念上相当と認められる範囲の香典には税金がかかりません

相続税

香典は喪主が受け取るものであり、故人の財産ではありません。したがって相続財産には含まれず、相続税の課税対象にはなりません。

贈与税

国税庁の通達により、個人から受ける香典で「社会通念上相当と認められるもの」は贈与税の対象外とされています。一般的な金額(数千円〜数万円)であれば問題ありません。

所得税

香典は所得にもあたらないため、所得税もかかりません。

注意が必要なケース

「社会通念上相当」の具体的な金額基準は法律で定められていません。ただし、常識的に考えて過大な金額(たとえば数百万円単位の香典)を受け取った場合は、贈与税の対象になる可能性があります。通常の弔問で受け取る香典であれば、まず心配は不要です。

なお、葬儀費用は相続税の計算上、相続財産から控除できます。香典は相続財産に含まれないため、葬儀費用の控除額から差し引く必要はありません。相続税について詳しくは「相続税の申告ガイド」をご覧ください。

相続税や死亡後のお金の手続き全般については「死亡後のお金の手続きまとめ」で整理しています。

よくある質問

故人の宗教がわからない場合、表書きはどうすればいいですか?

「御霊前」を使えば、ほとんどの宗教で通用します。ただし浄土真宗では「御仏前」が正式、プロテスタントでは「御霊前」は不適切とされています。事前に宗教が確認できない場合は「御霊前」を選び、気になるようであれば葬儀社に問い合わせるのが確実です。

香典を連名で出す場合、金額はどうすればいいですか?

一人あたりの相場を基準に合算します。たとえば同僚3人で出す場合、一人5,000円×3人=15,000円を包みます。ただし、合計額が偶数や忌み数にならないよう調整してください。3名までは袋に全員の名前を書き、4名以上は代表者名と「外一同」と記載して、別紙に全員の名前を添えます。

葬儀に参列できない場合、香典はどう送ればいいですか?

現金書留で郵送するのが一般的です。香典袋にお金を入れ、現金書留封筒に入れて送ります。お悔やみの手紙を同封するとより丁寧です。送り先は喪主の自宅宛てが通常ですが、葬儀会場宛てに送る場合は葬儀日に届くよう手配してください。弔電を併せて送ることもあります。

まとめ

香典の基本は「故人との関係に応じた金額を、正しい作法で包んで渡す」こと。判断に迷ったら周囲に相場を確認し、宗教が分からなければ「御霊前」と無地の香典袋を選べば大きな失礼にはなりません。

葬儀費用全体の見通しを立てたい方は「葬儀費用の相場と使える補助金」を、亡くなった後に必要な手続きの全体像は「死亡後の手続き一覧」をご覧ください。生命保険の受け取りに関しては「生命保険金の請求手続き」で詳しく解説しています。

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