生活・名義変更

故人の定期支払い・サブスク解約チェックリスト — 漏れを防ぐ探し方と手順

更新日: 2026/2/27読了: 24分

この記事のまとめ

  • クレカ明細・口座履歴・スマホ・郵便物の4つから定期支払いを洗い出す
  • 動画配信・ジム・保険などカテゴリ別チェックリストで漏れを防止
  • 解約が遅れた場合でも事情説明で返金されるケースがある

はじめに

家族が亡くなった後、見落とされやすい手続きの一つが「定期支払い・サブスクリプションの解約」です。動画配信サービスやスポーツジムの月会費、新聞の定期購読など、故人が契約していたサービスは、解約手続きをしない限り料金が発生し続けます。

総務省の「家計消費状況調査」によると、インターネットを通じたサービスの利用は年々増加しており、一人あたり複数のサブスクリプションを契約しているケースは珍しくありません。問題は、どのサービスに契約しているかを本人以外が把握しにくい点です。

この記事では、故人の定期支払いを漏れなく見つける方法、カテゴリ別の解約チェックリスト、解約手続きの基本的な流れ、そして解約が遅れた場合の返金可能性までをまとめました。

なぜ解約漏れが起きるのか

定期支払いの解約漏れが起きる主な原因は、以下の3つです。

こうした理由から、故人の定期支払いは意識的に探さなければ見つけることができません。放置すると不要な料金が数か月〜数年にわたって発生し、気づいたときには相当な金額になっていることもあります。

注意

定期支払いは解約手続きをしない限り自動で請求が続きます。故人のクレジットカード解約や銀行口座凍結だけでは、サービス自体の解約にはなりません。引き落としができなくなると未払い扱いとなり、延滞金が発生したり、督促が届くおそれがあります。

定期支払いの探し方

故人の定期支払いを洗い出すには、4つの方法を組み合わせて確認するのが効果的です。

1. クレジットカードの利用明細を確認する

最も多くの定期支払いが見つかるのがクレジットカードの明細です。過去6か月〜1年分の明細を確認してください。年払い(年1回の引き落とし)の契約を見落とさないためには、できれば12か月分の確認が理想です。

確認方法は以下のとおりです。

明細に表示される名称がサービス名と異なることがあります。例えば「AMAZON PRIME」「SPOTIFY」などとそのまま表示されるものもあれば、決済代行会社の名前で表示される場合もあります。不明な引き落としがあれば、名称をインターネットで検索すると特定できることが多いです。

ポイント

クレジットカードの明細に表示される名称がわからない場合は、その名称をそのままインターネットで検索してみてください。決済代行会社名で表示されているケースでも、検索すれば元のサービスが特定できることが多いです。

2. 銀行口座の引落し履歴を確認する

銀行口座からの自動引落しで支払っているサービスもあります。通帳記帳またはオンラインバンキングで、過去6か月〜1年分の取引履歴を確認してください。

銀行口座が凍結された後でも、相続人であれば取引履歴の照会は可能です。ただし、手続きに時間がかかる場合があるため、凍結前に確認しておくとスムーズです。銀行口座の凍結については「故人の銀行口座が凍結されたら」で詳しく解説しています。

3. スマートフォンのアプリ・メールを確認する

故人のスマートフォンにアクセスできる場合は、以下を確認してください。

スマートフォンのパスコードがわからない場合の対応については、「携帯電話の解約方法」の「携帯端末のデータ取り出し」を参考にしてください。

4. 郵便物を確認する

自宅に届く郵便物にも手がかりがあります。

特に年払いのサービス(JAFの年会費、業界団体の年会費など)は、郵便物でしか気づけないことがあります。死亡後しばらくの間は、届く郵便物に注意を払ってください。

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カテゴリ別の解約チェックリスト

以下は、故人が契約している可能性のあるサービスをカテゴリ別にまとめたチェックリストです。該当するものがないか一つずつ確認してください。

動画配信サービス

音楽・オーディオ配信サービス

新聞・雑誌・書籍

クラウドストレージ・ITサービス

フィットネス・ジム会員

習い事・オンライン学習

各種会費・年会費

保険・共済の定期払い

注意

保険については、解約する前に「保険金の請求ができるかどうか」を必ず確認してください。生命保険は受取人が保険金を請求できます。また、火災保険・自動車保険は、相続人が引き継いで名義変更することも可能です。不要な保険だけを解約するようにしましょう。保険金の請求については「生命保険の請求手続き」をご覧ください。

その他の定期支払い

解約手続きの基本的な流れ

定期支払いの解約手続きは、サービスの種類によって方法が異なりますが、おおむね以下の流れで進みます。

ステップ1: サービス提供者に連絡する

契約者が亡くなったことをサービス提供者に伝えます。連絡方法はサービスによって異なります。

連絡方法主なサービス例
電話ジム、保険、新聞(紙版)、JAFなど
ウェブサイト(マイページ)Netflix、Spotify、Amazonなど
アプリ内Apple IDやGoogleアカウント経由のサブスクリプション
来店スポーツジム、カルチャースクールなど

ステップ2: 必要書類を確認・準備する

サービスによっては、契約者の死亡を証明する書類の提出を求められる場合があります。一般的に求められるのは以下のような書類です。

ただし、月額数百円〜数千円のオンラインサービスの多くは、マイページからの操作だけで解約でき、書類提出が不要なケースがほとんどです。

ステップ3: 解約完了を確認する

解約手続きが完了したら、以下を確認してください。

ポイント

オンラインサービスの場合、故人のアカウントにログインできれば、マイページから直接解約手続きができることが多いです。サービス提供者に連絡するよりも手早く完了します。ログインに必要なIDやパスワードは、スマートフォンのパスワード管理アプリやブラウザの保存パスワードから見つかることがあります。

Apple ID・Googleアカウント経由のサブスクリプション解約

App StoreやGoogle Playストア経由で契約したサブスクリプションは、サービス提供者に直接連絡するのではなく、Apple ID・Googleアカウントの管理画面から解約する必要があります。

アプリを削除(アンインストール)しただけではサブスクリプションは解約されません。必ず上記の手順で解約してください。

解約を忘れた場合の返金可能性

解約手続きが遅れて、故人の死亡後もサービス利用料が引き落とされていた場合、返金を受けられる可能性があります。

返金が認められやすいケース

返金を求める際のポイント

  1. サービス提供者に電話またはメールで連絡する
  2. 契約者が死亡した日付を伝え、死亡日以降の利用料の返金が可能か確認する
  3. 死亡診断書のコピーなど、死亡の事実を証明する書類の提出を求められる場合がある
  4. 返金額と返金方法(元の支払い方法への返金、相続人の口座への振込など)を確認する

返金の可否や金額はサービスの利用規約やサービス提供者の判断によります。法的には、死亡によって契約が当然に終了するわけではないため、あくまでサービス提供者の対応次第という点に留意してください。ただし、実務上は事情を丁寧に説明すれば返金に応じてもらえるケースが多いです。

ポイント

返金を求める際は、「契約者が○月○日に死亡したため、それ以降のサービスは利用されていない」と明確に伝えましょう。感情的にならず、事実を淡々と説明するのが効果的です。

定期支払いの管理表を作る

見つかった定期支払いを一覧表にまとめておくと、解約の進捗管理がしやすくなります。以下のような項目を記録すると便利です。

項目記入例
サービス名Netflix
月額(税込)1,490円
支払い方法○○カード(末尾1234)
解約連絡先ウェブサイトから手続き
解約手続き日2026年3月1日
解約完了確認完了メール受信済み

すべての解約手続きが完了するまで、この一覧表を手元に置いて管理してください。

よくある質問

Q. 故人がどのサブスクリプションに加入しているかまったくわかりません。どこから調べればよいですか?

まずは故人のクレジットカードの利用明細を確認するのが最も効率的です。過去12か月分の明細を確認すれば、月払い・年払いを問わずほとんどの定期支払いを把握できます。カードが手元になくても、相続人であればカード会社に電話で利用明細の発行を依頼できます。並行して、スマートフォンのサブスクリプション管理画面(iPhone: 設定 → 自分の名前 → サブスクリプション、Android: Google Play → 定期購入)も確認してください。故人の銀行口座の取引履歴も手がかりになります。クレジットカードの解約手続きについては「故人のクレジットカード解約」で詳しく解説しています。

Q. 故人のクレジットカードを解約すれば、サブスクリプションも自動的に解約されますか?

いいえ、クレジットカードを解約しただけではサブスクリプション自体は解約されません。カードが無効になると引き落としができなくなるため、サービス側では「支払い不能」として処理されます。多くのサービスは一定期間、支払い方法の更新を求める通知を送り、それでも更新されなければアカウントを停止します。ただし、契約自体は残ったままになることがあり、延滞扱いになったり、回収業者から請求が届く可能性もあります。不要なサービスは個別に解約手続きを行ってください。

Q. 解約せずに放置した場合、どのくらいの金額が無駄になりますか?

仮に月額1,000円のサービスを5つ契約していた場合、月5,000円、年間で6万円が無駄に発生します。実際には動画配信(月1,000〜2,000円)、音楽配信(月1,000円前後)、クラウドストレージ(月数百円〜1,000円程度)、ジム(月5,000〜10,000円)など、合計すると月1万円〜2万円以上になるケースも珍しくありません。1年放置すれば12万〜24万円以上の出費になりえます。早めの確認・解約が重要です。

Q. 故人のサブスクリプションを家族が引き継いで使うことはできますか?

原則として、サブスクリプションの契約は本人限りのものであり、名義変更(承継)に対応しているサービスは多くありません。ただし、Amazonプライムのファミリー機能やNetflixのアカウント移行など、一部のサービスでは家族への引き継ぎに対応している場合もあります。また、スポーツジムなどの対面型サービスでは、事情を説明すれば名義変更に応じてくれることがあります。引き継ぎたいサービスがあれば、まずはサービス提供者に相談してみてください。なお、故人のアカウントに家族がログインして利用し続けることは、多くのサービスの利用規約に違反するためおすすめできません。

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