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相続の無料相談窓口一覧 — 専門家別の選び方

更新日: 2026/2/27読了: 26分

この記事のまとめ

  • 紛争ありなら弁護士、税金は税理士、登記は司法書士
  • 法テラスや市区町村の無料相談で情報収集できる
  • 相続放棄3か月など期限のある手続きは早めに相談

はじめに

「相続の相談はどこにすればいいの?」——相続に直面した方が最初に感じる疑問のひとつです。

弁護士、税理士、司法書士、行政書士……それぞれ名前は知っていても、何を頼めるのかが分からない。無料で相談できる窓口があると聞いたけれど、どこに問い合わせればいいのか分からない。そういった声は珍しくありません。

この記事では、相続の相談先を「専門家の種類別」「公的な無料窓口別」に整理し、どんな状況のときにどこへ相談すべきかをまとめます。

相続の相談先は大きく2種類

相続の相談先は、大きく「専門家(士業)への相談」と「公的機関・無料窓口の活用」に分けられます。

分類具体的な相談先
専門家(有料・初回無料あり)弁護士、税理士、司法書士、行政書士
公的機関・無料窓口法テラス、市区町村の無料法律相談、税務署、公証役場

まず「何に困っているか」を整理してから相談先を選ぶのが、時間と費用のムダを防ぐコツです。以下で各相談先の特徴を解説します。

ポイント

紛争がある場合は弁護士、税金の問題は税理士、不動産の登記は司法書士が最適な相談先です。

専門家別の得意分野と費用相場

弁護士

弁護士は、法律全般に関するトラブルの代理人として活動できる唯一の資格者です。相続においては、遺産分割の交渉・調停・審判、遺言の有効性をめぐる争い、遺留分の請求など、紛争・対立が生じている場面が得意分野です。

弁護士に向いているケース

費用の目安

項目金額の目安
法律相談(30分)5,000〜10,000円(初回無料の事務所も多い)
遺産分割協議の交渉(着手金)20万〜60万円
報酬金経済的利益の10%前後
調停・審判の出廷日当1回あたり1万〜3万円

紛争になっていない段階では、弁護士でなく司法書士や行政書士に依頼したほうがコストを抑えられることもあります。


税理士

税理士は、税務に関する申告・相談の専門家です。相続においては相続税の申告・節税対策が主な依頼業務になります。相続財産が基礎控除額(3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数)を超える可能性がある場合は、早めに税理士に相談するのが得策です。

税理士に向いているケース

費用の目安

項目金額の目安
初回相談無料〜1万円
相続税申告報酬遺産総額の0.5〜1.0%程度(最低報酬あり)
加算報酬土地の評価が複雑な場合、申告期限直前の依頼など

相続税の申告は、相続開始を知った日の翌日から10か月以内が期限です。税理士探しは早めに始めることをおすすめします。


司法書士

司法書士は、登記手続きの専門家です。相続においては**不動産の相続登記(名義変更)**が主な業務ですが、相続手続き全般のサポートを行う事務所も多く、費用面では弁護士より低コストになるケースが多いです。また、遺産分割協議書の作成も依頼できます。

司法書士に向いているケース

費用の目安

項目金額の目安
初回相談無料〜5,000円
相続登記5万〜15万円(登録免許税別)
遺産分割協議書作成3万〜10万円
相続放棄申述書類の作成2万〜5万円
相続手続き一式のサポート15万〜50万円(財産の種類・数による)

2024年4月から不動産の相続登記が義務化されました。相続を知った日から3年以内に登記しないと、10万円以下の過料の対象になります。不動産を相続した場合は、司法書士に相談する機会が必ずあると考えておいてください。


行政書士

行政書士は、官公署に提出する書類の作成が得意な専門家です。相続においては遺産分割協議書の作成や相続財産の整理を依頼できます。ただし、登記手続きは司法書士、税申告は税理士、裁判手続きは弁護士の業務であり、行政書士の業務範囲には含まれません。

行政書士に向いているケース

費用の目安

項目金額の目安
初回相談無料〜5,000円
遺産分割協議書作成3万〜8万円
相続財産調査・整理5万〜20万円

「こんな時はこの専門家へ」早見表

状況相談すべき専門家
相続人同士で争いがある・交渉が必要弁護士
遺留分を請求したい・された弁護士
相続税の申告が必要税理士
節税対策・生前贈与の相談税理士
不動産の相続登記(名義変更)司法書士
相続手続きをまとめてお願いしたい司法書士(or 行政書士)
遺産分割協議書だけ作りたい行政書士 or 司法書士
相続放棄の書類作成司法書士
遺言書を作りたい公証役場(公正証書遺言)or 司法書士・行政書士

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無料で相談できる公的窓口

専門家への依頼を決める前に、まず無料の相談窓口を活用する方法があります。以下に主な窓口をまとめます。

法テラス(日本司法支援センター)

法テラスは、国が設立した法的支援機関です。収入・資産が一定基準以下の方を対象に、弁護士・司法書士による無料法律相談を提供しています。相談回数は原則として同一の問題について3回まで。

法テラスの無料相談を利用できる収入要件(目安)

世帯人数月収の上限
1人約18.2万円以下
2人約25.1万円以下
3人約27.2万円以下
4人約29.9万円以下

※持家がない場合の目安。住宅ローンがある場合は月額ローン返済額を控除。収入が上記を多少超えても資産状況によって利用できる場合あり。

法テラスには弁護士費用の立替制度(審査あり)もあり、収入要件を満たす方は費用を立て替えてもらったうえで弁護士に依頼できます。


市区町村の無料法律相談・無料相続相談

多くの市区町村では、弁護士や司法書士が担当する無料相談会を定期的に開催しています。予約制で1人あたり30分程度が多く、基本的な疑問を整理するのに向いています。


税務署の相談窓口

税務署では、相続税に関する一般的な質問に無料で答えてもらえます。「相続税がかかるかどうか分からない」「申告が必要な財産の範囲を教えてほしい」といった基本的な疑問を解消するのに活用できます。

ただし、税務署は課税当局であり、節税のアドバイスを受ける場所ではありません。節税対策の相談は税理士に行うのが適切です。


公証役場

公証役場では、公正証書遺言の作成に関する相談に無料で応じています。遺言書を作りたいが何から始めればよいか分からない方にとって、まず公証役場に問い合わせるのが近道です。


弁護士会・司法書士会・税理士会の相談窓口

各士業の都道府県会でも、無料または低額の相談窓口を設けている場合があります。

窓口特徴
弁護士会の法律相談センター30分5,000円程度(初回無料キャンペーンあり)
司法書士会の総合相談センター30分無料〜低額
税理士会税に関する無料相談会を定期開催

相談先を選ぶときのポイント

ポイント1: 「今一番困っていること」を明確にする

相続の問題は複合的です。「誰が何を受け取るかの話し合いがまとまらない」のか、「相続税の申告が必要かどうか分からない」のか、「不動産の名義変更の手続きを進めたい」のか——悩みによって最適な相談先が変わります。

まず自分が困っていることを一言で言語化してみると、相談先を選びやすくなります。

ポイント2: 「紛争あり」か「紛争なし」かを区別する

相続人同士が争っているかどうかで、必要な専門家が変わります。

弁護士への依頼は費用がかかるため、紛争が起きていない段階では他の士業を活用するほうがコストを抑えられます。

ポイント3: 無料相談を「情報収集」として使う

無料相談は、専門家に依頼するかどうかを決める前の「情報収集」の場として使うのが効果的です。

こういった点を確認するだけでも、無料相談の価値は十分あります。

ポイント4: 複数の窓口を比較する

同じ業務でも、事務所によって費用や対応が異なります。相続手続き全般を依頼する場合は、複数の事務所に見積もりを取り、比較したうえで依頼先を決めましょう。


相続の問題を放置するリスク

「なんとなく後回しにしている」という方は注意が必要です。相続には期限のある手続きがいくつかあり、放置すると取り返しのつかない事態になりかねません。

手続き期限放置した場合のリスク
相続放棄3か月以内借金も含めてすべてを相続することになる
準確定申告4か月以内延滞税・無申告加算税が発生
相続税の申告10か月以内延滞税・無申告加算税・配偶者控除の特例が使えない
不動産の相続登記3年以内(義務)10万円以下の過料の対象
遺留分の請求相続を知った日から1年以内請求権が消滅

特に相続放棄の期限(3か月)は短く、マイナスの財産(借金)の有無が分からないまま時間が経過するケースも多いです。悩んでいる間に期限が来てしまう前に、まず無料相談で状況を相談することをおすすめします。

注意

相続税の申告期限は10か月以内、相続放棄は3か月以内です。期限を過ぎると取り返しのつかない不利益が生じるため、早めに相談してください。


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よくある質問

Q1. 相続の相談は弁護士に行くべきですか?

必ずしもそうではありません。相続人同士の対立や遺留分の請求など、法的な紛争が絡む場合は弁護士に相談すべきです。しかし、手続きを進めるだけなら司法書士や行政書士で対応できるケースが多く、費用も抑えられます。不動産の登記は司法書士、相続税の申告は税理士の専門分野です。まず「何に困っているか」を整理してから相談先を選んでください。

Q2. 法テラスの無料相談は誰でも使えますか?

法テラスの無料法律相談は、収入・資産が一定の基準以下の方を対象にしています。月収の目安は1人世帯で約18.2万円以下、2人世帯で約25.1万円以下です(詳細な基準はケースによって異なります)。収入が基準を超える場合は有料となりますが、弁護士会や司法書士会の相談センター、あるいは各事務所の初回無料相談を活用する方法があります。

Q3. 相続の無料相談で、その場で問題は解決しますか?

無料相談(30分程度)で問題が完全に解決することは基本的にありません。無料相談は「情報収集」の場と位置づけるのが現実的です。現状の整理・専門家に依頼すべき内容の確認・費用感の把握——こういった点を確認する目的で活用してください。具体的な書類作成や手続きの代理は、改めて正式に依頼することになります。

Q4. 相続税がかかるかどうか、自分で判断できますか?

基礎控除額の計算式(3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数)と相続財産の総額を比べることで、大まかな判断はできます。ただし、相続財産には預貯金だけでなく不動産・有価証券・生命保険の死亡保険金なども含まれ、評価方法も複雑です。「かかりそう」と感じたら早めに税理士に相談することをおすすめします。税務署の窓口でも基本的な質問に答えてもらえます。

Q5. 相続の相談は、死亡直後でないとできませんか?

死亡後すぐでなくても相談できます。ただし、相続放棄の期限(3か月)は早いため、借金があるかどうか分からない場合は急ぐ必要があります。また、相続税の申告(10か月)、不動産の相続登記(3年)など、期限がある手続きは早めに動き出したほうが余裕を持って対応できます。「いつ相談すればよいか分からない」と感じたら、まず無料相談の窓口に問い合わせてください。


まとめ

相続の相談先は、状況によって最適な選択肢が異なります。

「どこに相談すればいいか分からない」という状態でも、まず法テラスや市区町村の無料相談窓口に問い合わせれば、自分のケースに合った相談先を案内してもらえます。期限のある手続きもあるため、悩んでいる時間がもったいないです。まずは一歩、相談の予約を入れることから始めてください。


相続手続きの全体像については「相続手続きの全体ガイド — 何から始める?流れと期限を解説」で、法定相続人の確定方法は「法定相続人を戸籍で調べる方法」で、話し合いがまとまらない場合の調停手続きは「遺産分割調停の申立て方法」で詳しく解説しています。

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