生前対策

デジタル遺産の生前対策 — パスワード管理とアカウント整理の方法

更新日: 2026/2/27読了: 12分

この記事のまとめ

  • デジタル遺産には金融資産からSNSアカウントまで幅広い種類がある
  • アカウント一覧表の作成とパスワード管理が生前対策の基本
  • Google・Facebookには死後のアカウント管理機能がある

はじめに

銀行口座のオンライン化、スマートフォンの普及、暗号資産やネット証券の利用——私たちの資産や個人情報は、急速にデジタル化しています。しかし、これらのデジタル遺産は、本人が亡くなるとアクセスできなくなることが多く、遺族が大きな困難に直面します。

この記事では、デジタル遺産の生前対策として、アカウント整理の方法、パスワードの管理と共有方法、SNSの死後設定について解説します。

デジタル遺産とは

デジタル遺産とは、インターネットやデジタル機器に保存されている、金銭的価値や思い出としての価値を持つデータ・アカウントの総称です。

分類具体例
金融資産ネット銀行口座、ネット証券口座、FX口座
暗号資産ビットコイン、イーサリアムなどの暗号資産(仮想通貨)
ポイント・電子マネークレジットカードのポイント、各種ポイント、電子マネー残高
サブスクリプション動画配信、音楽配信、クラウドストレージ、ソフトウェア
SNS・ブログFacebook、X(旧Twitter)、Instagram、LINE、YouTube
メールGmail、Yahoo!メールなどのメールアカウント
写真・動画スマートフォンの写真、クラウドに保存された動画
その他ドメイン名、ウェブサイト、オンラインゲームのアカウント

なぜ生前対策が必要なのか

デジタル遺産は、本人以外がアクセスするのが非常に困難です。その理由は明確です。

故人のデジタル遺品の整理方法は「故人のSNS・デジタル遺品の整理」で解説していますが、遺族の負担を軽減するためには生前の対策が重要です。生前対策をしていなかった場合のアクセス方法は「デジタル遺産へのアクセス権」をご覧ください。

注意

暗号資産(仮想通貨)は、秘密鍵やウォレットのパスワードを紛失すると、誰もアクセスできなくなります。高額な暗号資産を保有している場合は、アクセス情報の管理が特に重要です。

ステップ1: アカウント一覧表を作成する

まず、自分が利用しているすべてのデジタルサービスを一覧表にまとめます。

一覧表に記載する項目

パスワードそのものを一覧表に記載するかどうかは、保管方法とセキュリティのバランスを考慮して判断してください(後述)。

一覧表を作成するコツ

ポイント

ブラウザ(Chrome、Safari、Firefox)には保存されたパスワードの一覧を表示する機能があります。設定画面から確認でき、どのサイトにアカウントがあるかを把握するのに役立ちます。

ステップ2: パスワードの管理方法を決める

パスワードの管理方法には、主に3つの選択肢があります。

管理方法メリットデメリット
パスワード管理ツール安全性が高い、自動入力が便利マスターパスワードの共有が必要
紙に書いて保管ネットに接続しないため安全紛失・盗難のリスク、更新が面倒
暗号化ファイルデジタルで管理しやすい暗号化パスワードの共有が必要

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パスワード管理ツールを使う場合

パスワード管理ツール(パスワードマネージャー)を使えば、すべてのパスワードを1つの「マスターパスワード」で管理できます。

生前対策としてのポイント:

紙に書いて保管する場合

デジタルに不慣れな方は、紙に書いて保管するのも有効な方法です。

ステップ3: SNS・クラウドサービスの死後設定

主要なサービスには、本人の死後にアカウントを管理するための機能が用意されています。

Googleアカウント(無効なアカウント管理ツール)

Googleには「無効なアカウント管理ツール」という機能があります。

Facebook(追悼アカウント管理人)

Facebookでは「追悼アカウント管理人」を事前に指定できます。

Apple ID(故人アカウント管理連絡先)

iOS 15.2以降、Appleには「故人アカウント管理連絡先」機能があります。

ステップ4: 家族への共有方法

デジタル遺産の情報を家族に共有する方法を決めておきます。

エンディングノートに記載する

エンディングノートに以下の情報を記載しておくのが、最もシンプルな方法です。

エンディングノートの書き方は「エンディングノートの書き方」で詳しく解説しています。

信頼できる家族に口頭で伝える

スマートフォンのロック解除について

デジタル遺産の整理で最初の壁となるのが、スマートフォンのロック解除です。

生前に端末のPINコードやパスコードを家族と共有しておくことが、最も確実な対策です。

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まとめ

デジタル遺産の生前対策は、「アカウント一覧の作成」「パスワード管理方法の確立」「SNSの死後設定」「家族への共有」の4ステップで進めます。特に暗号資産やネット銀行など金銭的価値の高いアカウントは、アクセス情報を失うと取り戻せないため、優先的に対策してください。

年に1回程度、アカウント一覧とパスワードの情報を見直し、変更があれば更新する習慣をつけることが大切です。デジタル資産の整理は生前整理の一環です。物の整理も含めた全体の進め方は「生前整理の進め方」をご覧ください。デジタル終活は、家族の負担を大きく軽減する、思いやりのある準備です。

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